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2022 Fiscal Year Annual Research Report

翻訳後修飾としてのチロシン硫酸化の空間および時間的制御機構の理解と機能解明

Research Project

Project/Area Number 22H02262
Allocation TypeSingle-year Grants
Research InstitutionUniversity of Miyazaki

Principal Investigator

榊原 陽一  宮崎大学, 農学部, 教授 (90295197)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 黒木 勝久  宮崎大学, 農学部, 准教授 (20647036)
上地 珠代  宮崎大学, 医学部, 准教授 (10381104)
橋口 拓勇  宮崎大学, 地域資源創成学部, 特別助教 (80826305)
寺本 岳大  九州大学, 農学研究院, 助教 (80868993)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2026-03-31
Keywordsチロシン硫酸化 / 翻訳後修飾 / 硫酸転移酵素 / プロテオミクス
Outline of Annual Research Achievements

翻訳後修飾としてのチロシン 硫酸化は、タンパク質の分泌のためのシグナル、タンパク質間相互作用、さらにウイルス宿主間相互作用の制御に関与する。本研究では、チ ロ シン硫酸化を担う酵素Tyrosylprotein Sulfotransferase (TPST)に関し、細胞レベルおよび個体レベルでのTPST発現時期、発現部位や局在性を 明らかにし、いつ、どこで、どの基質タンパク質が何のために硫酸化を受けるのかを解明する。 硫酸化を受ける標的タンパク質から考え れば、いつ、どこで、何が、何のためにチロシン硫酸化を受けるのか。本研究 計画は、これらのチロシン硫酸化に関する学術的な「問い」を解明することを目的とする。
CCK-Sをモデルペプチドとして、LC-MSによる解析技術の検討を行い、ネガティブイオンモードとモジティブイオンモードを併用した硫酸化ペプチドの解析条件を確立することができた。確立した条件を元に、MRM-IDAと呼ばれる手法を駆使することで、硫酸化ペプチドの網羅的な解析が可能になった。
ACEIIのペプチドを用いた結果、3種類のACEIIペプチドの内、2種類のACEIIぺプチド(ACEII_1とACEII_3)の硫酸化を酵素活性測定にて見出すことが出来た。その内の1種類のペプチド(ACEII_3)には硫酸化されうるYが4カ所あり、Fの置換ペプチドを用いた結果、3カ所のYが硫酸化を受けることが判明した。ACEIIのペプチドを酵素的に硫酸化し、LC-MSを用いて解析した結果、ACEII_1ペプチドの硫酸化ペプチドを検出することが出来、さらに、MS/MSによる構造解析を行うことが出来た。
ゼブラフィッシュのTPSTノックダウン実験で用いた見出したWnt familyの酵素的な硫酸化を確認した結果、humanとzebrafishのWnt2とWnt4aの硫酸化を確認することが出来た。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

1.質量分析によるチロシン硫酸化部位の定量解析法開発( 解析ツール開発)に関連した成果として、CCK-Sをモデルペプチドとして、LC-MSによる解析技術の検討を行い、MRM-IDAと呼ばれる手法を駆使することで、硫酸化ペプチドの網羅的な解析が可能になった。また、ACEIIのペプチドを用いた結果、酵素的に硫酸化される部位のアミノ酸配列情報などを得ることができた。これらの成果から、初年度の進捗状況としては順調に進展していると判断した。

Strategy for Future Research Activity

1.質量分析によるチロシン硫酸化部位の定量解析法開発( 解析ツール開発!)
MRM定量解析法の開発に必須となる、従来から行われていたRIを 用いたチロシン硫酸化解析技術に代わる技術として、チロシン硫酸化部位特異的なMRM定量解析 法の開発は不可欠である。
2.TPST阻害剤探索と阻害剤複合体の構造解析( 解析ツール開発!)
各TPSTアイ ソタイプ特異的な阻害剤を探索する。さらに、構造活 性相関解析により、TPST阻害効果 を有する化合物の構造情報を決定し、候補化合物のTPST阻害効果を評価する。加えて、日本医療開発機構(AME D)の創薬等先端技術支援基盤プ ラットフォーム(BINDS)の化合物ライブラリーを活用し、効率的にTPST阻害剤探索を進める。 各TPSTアイソフォームに特異的な阻害剤が開発 できれば、細胞レベルや個体レベルでのTPSTの機能解析のための有用なツールとなり得る。
3.TPSTの細胞レベルでの空間および時間的発現解析( いつ、どこで硫酸化される?)TPSTがどの細胞内小器官で発現しているのか、GFP標識TPSTまたはTPST特異的抗体(合成抗原ペプチドにより各TPSTアイ ソタイプ特異的抗体を調製予定)を用いてTGN38などの細胞内局在性マーカーとの比較から詳細に解析する。
4.TPSTの個体レベルでの空間および時間的発現解析( いつ、どこで硫酸化される?) ゼブラフィッシュをモデル実験動物として、各TPSTアイソタイプのホールマウントin situハイブリダイゼーションや特異的抗体を用いて組織 切片上での発現解析を行う。

  • Research Products

    (5 results)

All 2022

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (3 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Journal Article] チロシン硫酸化研究から食品機能評価など農学分野へのプロテオミクスの応用2022

    • Author(s)
      榊原 陽一
    • Journal Title

      日本プロテオーム学会誌

      Volume: 7 Pages: 27~35

    • DOI

      10.14889/jpros.7.2_27

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Novel silkworm (Bombyx mori) sulfotransferase swSULT ST3 is involved in metabolism of polyphenols from mulberry leaves2022

    • Author(s)
      Yamamoto Kohji、Yamada Naotaka、Endo Satoshi、Kurogi Katsuhisa、Sakakibara Yoichi、Suiko Masahito
    • Journal Title

      PLOS ONE

      Volume: 17 Pages: e0270804

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0270804

  • [Presentation] SARS-CoV-2受容体アンジオテンシン変換酵素2のチロシン硫酸化2022

    • Author(s)
      出向みほ、黒木勝久、寺本岳大、角田佳充、Ming-Cheh Liu、水光正仁、榊原陽一
    • Organizer
      日本プロテオーム学会 2022年大会
  • [Presentation] チロシン硫酸化研究から食品機能評価など農学分野へのプロテオミクスの応用2022

    • Author(s)
      榊原陽一
    • Organizer
      日本プロテオーム学会 2022年大会
    • Invited
  • [Presentation] 新型コロナウイルス受容体アンジオテンシン変換酵素2のチロシン硫酸化2022

    • Author(s)
      出向みほ、黒木勝久、Ming-Cheh Liu、水光正仁、榊原陽一
    • Organizer
      令和4年度日本生化学会 九州支部例会

URL: 

Published: 2023-12-25  

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