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2023 Fiscal Year Annual Research Report

Elucidation of the inhibitory mechanism of bolting in plants and development of bolting inhibitors

Research Project

Project/Area Number 22H02267
Allocation TypeSingle-year Grants
Research InstitutionHokkaido University

Principal Investigator

松浦 英幸  北海道大学, 農学研究院, 教授 (20344492)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 北岡 直樹  北海道大学, 農学研究院, 准教授 (20785547)
久保 友彦  北海道大学, 農学研究院, 教授 (40261333)
黒田 洋輔  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 北海道農業研究センター, 上級研究員 (40595071)
柏木 純一  北海道大学, 農学研究院, 講師 (60532455)
北崎 一義  北海道大学, 農学研究院, 助教 (60532463)
橋本 誠  北海道大学, 農学研究院, 教授 (90292094)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywords抽台抑制 / 抽台抑制物質 / 二年生植物 / 冬型一年生植物 / ダイコン / ジベレリン
Outline of Annual Research Achievements

植物の生活史には一年生、二年生、冬型一年生、多年生などがある。冬型一年生および二年生植物は、本来、夏に発芽し越冬した翌年に急激な花茎伸長(抽台)を伴う開花、種子形成を行う。よって、子孫を残す上で夏から秋の栄養成長期間中の抽台はご法度である。しかし、上記の植物が生活環を完結させるために必須な『抽台抑制』に関しては、その抑制機構の詳細が明らかでない。よって、低分子量の生理活性物質の関与を想定し研究を進めている。本研究での実施の項目は【A】ABCの葉部から茎頂部への移動、【B】植物に存在するABC関連物質の探索、【C】ABCを受容するタンパク質とその機能、【D】シロイヌナズナ抽台誘導に関与する、ABC分解酵素をコードする遺伝子の探索、【E】早抽性および晩抽性ビートにおける遺伝子特性、【F】実農業で利用可能な、栄養成長期の抽台を抑制する植物化学調節剤の開発である。項目Aについては候補の化合物の合成に成功し、ラベルパターンの異なる化合物の合成に必要な合成方法を考案しているところである。項目Bについては、関連の化合物の単離精製、構造決定に成功し、英字の論文とした。項目Cについては、候補タンパクを釣り上げるための化合物の合成を進めている。項目D、Eについてはシロイヌナズナから選られたRNAseqデータをビートに当てはめ、相応の遺伝子を見つけつつある。項目Fについて昨年とほぼ同様な圃場実験を進めているが改良法が望まれるデータであった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

研究実績の概要に示した上記の、項目Aについてはグリセロール部分に重水素を有する候補化合物、hexadeca-7,10,13-trienoica acid α-glycerolの合成に成功している。hexadeca-7,10,13-trienoica acidに重水素を導入したC16脂肪酸の合成にも着手しており、2重結合を2個有する炭素鎖9個のホスホニウム塩の合成に成功し、末端にアルデヒド基を有し、もう一方の末端がメチルエステルの直鎖化合物の合成にも成功している。引き続き、wittig反応により目的のC16脂肪酸を得る予定で、いずれかの中間体に重水素を導入する予定である。項目Bについては、関連の化合物として、シロイヌナズナ葉部より12-oxophytodienoic acidα-glycerolの単離精製、構造決定に成功し、その成果がJournal of Natural Productに掲載されている。項目Cについては、候補タンパクを釣り上げるための化合物の合成を進めている。当初は脂肪酸部分にアジリジン基を導入予定であったが困難であると判明し、glycerol骨格に対してエステル結合を介した化合物の合成へ計画を変更した。項目D、Eについては抽台抑制期間中のシロイヌナズナから選られたRNAseqデータをビートに当てはめ、活性型のジベレリンを不活性型へ代謝する遺伝の発現が、ビートの抽台抑制でも重要であるとの結論に近づいているところである。項目Fについて昨年とほぼ同様な圃場実験を進めたが、望みの効果は観察できなかった。実験を総じて、本農学部に配備されている超微量物質を検出するためのUPLC MS/MSが修理不能の故障で廃棄となり、代替の機材の到着を待っているところで、研究の進捗のブレーキとなっている。

Strategy for Future Research Activity

項目Aについてはグリセロール部分に重水素を有する候補化合物の合成に成功しているが、これと異なるラベルパターンの化合物が欲しいところである。このため、2重結合を2個有する炭素鎖9個のホスホニウム塩の合成に成功し、末端にアルデヒド基を有し、もう一方の末端がメチルエステルの直鎖化合物の合成を計画し成功した。合成の後半に重水素の導入がより行いやすい、末端にアルデヒド基を有し、もう一方の末端がメチルエステルの化合物に重水素を導入予定であり、合成次第、移動実験を行う。項目Bについては、関連の化合物として、ダイコン葉部よりjasmonic acidα-glycerolの存在を確認している。大量に抽出素材を用意して、単離精製、構造決定を進める。単離後は、抽台抑制の観点からその生理活性を調査する。項目Cについては、候補タンパクを釣り上げるための化合物の合成を進めている。hexadeca-7,10,13-trienoica acid α-glycerol のglycerol骨格に対してエステル結合を介した化合物の合成を進めている。さらに困難であれば、エステル結合を介するのではなく、アミド結合に切り替える予定である。項目D、Eについては抽台抑制期間中の活性型のジベレリンを不活性型へ代謝する遺伝の発現が、ビートの抽台抑制でも重要であるとしており、本年度も圃場に多種のビートを播種し、遺伝子の実験を進める。項目Fについては、抽台抑制物質の葉面散布による抽台抑制効果はその傾向は観察されるものの、有意差があるほどのデータを得ることができたいない。よって、本年度は葉面散布以外の手立ても実施する。実験を総じて、本農学部に配備されている超微量物質を検出するためのUPLC MS/MSが修理不能の故障で廃棄となり、研究の進捗のブレーキとなっていることが否めない。

  • Research Products

    (1 results)

All 2024

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results)

  • [Journal Article] Isolation and Structure Determination of cis-OPDA-α-Monoglyceride from Arabidopsis thaliana2024

    • Author(s)
      Shotaro Hirota, Yusuke Ito, Shiro Inoue, Naoki Kitaoka, Tohru Taniguchi, Kenji Monde, Kosaku Takahashi, and Hideyuki Matsuura
    • Journal Title

      Journal of Natural Products

      Volume: 87 Pages: 未定

    • DOI

      10.1021/acs.jnatprod.3c01237

    • Peer Reviewed / Open Access

URL: 

Published: 2024-12-25  

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