2022 Fiscal Year Annual Research Report
非コード転写とエピゲノムによる植物の環境応答制御機構の解明
Project/Area Number |
22H02299
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
稲垣 宗一 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (00597883)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | エピゲノム / 非コード転写 / 転写制御 / 環境応答 / 植物 |
Outline of Annual Research Achievements |
非コード転写に駆動されるエピゲノム制御のメカニズムと意義を探るために、主に2つの研究を進めた。1つは、シロイヌナズナのfld変異体で起きるFLC遺伝子の高発現と開花の遅延を抑圧する新規変異体の探索で、次世代シークエンサーを用いた連鎖解析により10以上の変異体について候補原因遺伝子を同定した。これらにはクロマチン制御に関連すると考えられる遺伝子が多く含まれ、H3K4モノメチル化と転写をつなぐ新規クロマチン因子候補を多数同定できたといえる。もう一つは、非コード転写産物を新規に同定するために、クロマチンに結合したRNAを網羅的に同定する試みで、ロングリードシークエンサーを用いる方法を確立することができた。さらに、H3K4メチル化・脱メチル化制御の解析を進め、転写共役的なH3K4メチル化制御機構を同定し、論文として公表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
非コード転写とエピゲノムをつなぐ多数の新規クロマチン制御因子候補を順遺伝学的手法と次世代シークエンサーを用いた連鎖解析により同定することができた。このことは、本研究の目的達成にとって非常に重要な成果であるといえる。
|
Strategy for Future Research Activity |
同定した原因遺伝子候補の確定を進めるとともに、これらの機能解析を進める。また、新規非コード転写産物の同定のため、さまざまな環境に晒した植物におけるクロマチン結合RNAシークエンス解析を進める。
|
-
-
-
-
-
-
[Presentation] 維管束幹細胞の分裂と分化を制御するサイトカイニンの機能と動態2022
Author(s)
島津 舜治, ヌラニ・アリフ・ミーム, 森 秀世, 山田 一貴, 柴田 恭美, 古谷 朋之, 伊藤(大橋) 恭子, 石崎 公庸, 深城 英弘, 朝比奈 雅志, 稲垣 宗一, 角谷 徹二, 福田 裕穂, 近藤 侑貴
Organizer
日本植物学会第86回大会
-
[Presentation] 維管束幹細胞の分裂と分化を制御する一過的サイトカイニン応答2022
Author(s)
島津 舜治, 森 秀世, 山田 一貴, 柴田 恭美, 古谷 朋之, 伊藤(大橋) 恭子, 深城 英弘, 朝比奈 雅志, 稲垣 宗一, 角谷 徹二, 福田 裕穂, 近藤 侑貴
Organizer
植物化学調節学会第57回大会
-
-
-
-