2022 Fiscal Year Annual Research Report
活性カルボニル種とグルタチオンによる気孔閉口信号伝達の二次元的制御
Project/Area Number |
22H02303
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
村田 芳行 岡山大学, 環境生命科学学域, 教授 (70263621)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宗正 晋太郎 岡山大学, 環境生命科学学域, 准教授 (20641442)
中村 俊之 岡山大学, 環境生命科学学域, 助教 (90706988)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 気孔閉口 / 孔辺細胞 / 活性カルボニル種 / グルタチオン / サリチル酸 / アブシシン酸 / ジャスモン酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
Islam (2016)らの方法に従い、サリチル酸処理した孔辺細胞または葉の表皮で生成した活 性カルボニル種を2,4-dinitrophenylhydrazineで標識後、HPLCで定量し、サリチル酸信号伝 達における活性カルボニル種の産生動態を解析した。アクロレインやHNEなど主要な活性カルボニル種の生成を検出した。また、活性カルボニル種消去剤や消去酵素(アルケナールリダクターゼ)によって、気孔閉口が阻害された。NADPHオキシダーゼ由来の活性酸素種をセカンドメッセンジャーとするアブシシン酸信号伝達やジャスモン酸信号伝達と同様に、アポプラスト(細胞壁)ペルオキシダーゼ由来の活性酸素種をセカンドメッセンジャーとするサリチル酸信号伝達においても活性カルボニル種が関与することを明らかにした。気孔閉口信号伝達を統合する因子として、活性カルボニル種が機能していることを明らかにした。また、アブシシン酸誘導気孔閉口ならびにジャスモン酸誘導気孔閉口と同様にサリチル酸誘導気孔閉口においても孔辺細胞内グルタチオンが気孔閉口を負に制御していることを明らかにし、その結果の一部をBiosci. Biotech. Biochem. (2022)に発表した。 また、サリチル酸処理した孔辺細胞で生成する活性カルボニル種の一つであるアクロレインを、蛍光色素アクロレインレッドで染色し、蛍光顕微鏡下で時空間的な活性カルボニル種(アクロレイン)生成の特徴を解析している。また、同時にDNPHによる測定結果との比較を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
サリチル酸誘導気孔閉口における活性カルボニル種の関与とグルタチオンによる負の制御に関する結果を予定通りに得てきている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画の変更はなく、予定通り研究を進めて行く予定である。
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