2022 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of novel mechanisms of water tolerance in rice stems
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22H02309
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
永井 啓祐 名古屋大学, 生物機能開発利用研究センター, 助教 (30648473)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | イネ / 耐水性 / 茎 / 通気組織 |
Outline of Annual Research Achievements |
コムギ、トウモロコシ、イネは全人類の必要カロリーの約40%を供給している重要な穀物である。これらの作物は全てイネ科に属しており基本的な組織構造は類似している。しかし、近年の気候変動に伴い世界各地で洪水が発生しており、コムギ、トウモロコシにおいて甚大な農業的損失が報告されている。一方、同じイネ科作物であるイネは水田という湛水環境で生育が可能である。このことは、コムギなどが持っていない耐水性機構をイネが獲得したことで水田環境におけるニッチを獲得したことを示唆する。本研究課題では、主要イネ科作物のうちイネだけが湛水条件下において生存が可能であることに着目し、イネの茎における耐水性機構の解明および農業的応用を目指す。 2022年度は水生イネ科植物および陸生イネ科植物の節における細胞形態の観察を行った。その結果、イネ科の進化系統とは関係なく、水生イネ科植物は節に離生通気組織を形成しており、これによって湛水条件下でも生存が可能であることが示唆された。さらに、節の通気組織形成と酸素透過性の関連を検証するために光学酸素センサーoptodeを用いた節の酸素透過性を検証するための実験系の確立を行った。この実験系を用いて水生イネ科植物および陸生イネ科植物の節における酸素透過性を検証したところ、陸生イネ科植物の節は極めて低い酸素透過性を示したのに対して、水生イネ科植物の節js高い酸素透過性を有していることが明らかとなった。以上の結果から、水生イネ科植物は節において通気組織を形成し、酸素透過性を向上させることで湛水環境での生存を可能にしていることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の形態学的解析および生理学的解析においてイネ科の節に形成される離生通気組織の発見および重要性を明らかにすることができた。また、生理学的解析においては新たな実験系の確立を行うことができ、これにより植物の茎の酸素透過性をリアルタイムで計測することが可能となった。当初の研究計画通りに進行しており、これらの内容に関して現在、論文執筆中である。
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Strategy for Future Research Activity |
節に形成される離生通気組織における気体体積量に関しては未解明である。そのため、今後はX線マイクロCTスキャンによる解析を行い体積量の算出を試みる。また、離生通気組織形成の環境応答性に関しても検証を行う。 プログラム細胞死によって形成される破生通気組織に関しては分子メカニズムが明らかになりつつあるのに対して、細胞間隙が拡張することで形成される離生通気組織に関する形成制御メカニズムに関しては不明な点が多い。そこで今後はチューブリン抗体および細胞壁構成成分特異的抗体を用いた抗体染色を行うことで離生通気組織形成に関する組織化学的解析を行う。
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Research Products
(4 results)