2023 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of novel mechanisms of water tolerance in rice stems
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22H02309
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
永井 啓祐 名古屋大学, 生物機能開発利用研究センター, 助教 (30648473)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 耐水性 / イネ / 通気組織 / 節 / 髄腔 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年の地球環境の変動に伴い、東南アジアの季節性洪水地域に加え、世界各地や日本においても洪水による甚大な農業的損失が頻繁に発生している。将来にわたって食料を安定的に供給し、食糧安全保障に作物の遺伝育種学の分野から貢献するためには、洪水耐性作物の創出は喫緊かつ重要な課題のひとつであると考える。そこで本研究では洪水耐性作物の創出に向けた分子基盤の構築のために、イネの茎が、どのようにして水田環境でも効率的に気体を透過し、水田環境における生存を可能にしているのかを明らかにすることを目的とし、2023年度は以下の研究を行なった。 1.イネの茎は節間と節で構成されるが、節は細胞間隙が拡大することで気体透過を可能にしている離生通気組織である。この通気組織が節内部でどれほどの体積であり、また複雑に発達した節の維管束間においてどのように配置しているかは不明である。そのためX線マイクロCTスキャンにより節の離生通気組織を形態学的に解析し、3次元再構築することで離生通気組織の非侵襲的な可視化を行なった。 2.イネの節に離生通気組織が形成される際に、細胞接着面と細胞乖離面における細胞壁成分がどのように分布しているかについては不明である。そこで各種細胞壁成分の特異的抗体を用いた免疫染色を行い、離生通気組織発達における細胞壁成分の分布の可視化を行なった。 3.節に離生通気組織が形成される際に細胞に突起状構造が形成され、この構造が隣接する細胞の同構造と結合することで細胞間隙が拡大する。植物細胞の形態変化には表層微小管が関与していることが報告されていることから、突起状構造の形成過程において表層微小管およびアクチン繊維がどのように配向するかを組織化学的に可視化することを試みた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度の研究実施項目として3つの研究課題を掲げ、それぞれにおいて進捗があったため。 研究概要の項目1に関してはX線マイクロCT解析により、節の通気組織とその他の組織を区別した画像の撮影および3次元再構築が可能となった。項目2に関して、各細胞壁成分に特異的な抗体による免疫染色がイネの節においても実施できることが確認でき、さらに細胞壁成分ごとに分布が異なることを明らかにしつつある。項目3に関しては微小菅構成因子のTubulinにGFPを融合した形質転換体を作出した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後に関しては各研究項目において以下のように推進していく予定である。 項目1に関して、節の離生通気組織のX線マイクロCTによる撮影が可能であることが明らかとなったため、節の通気組織の体積や細胞形態が冠水の有無で変化するかなどの環境応答性に関して詳細に解析していく。項目2については節の離生通気組織形成過程における各細胞壁成分がどのように変化するかといった経時的変化を観察していく。項目3に関して、節の離生通気組織形成過程における微小管の配向変化をTubulin-GFPを過剰発現する形質転換体を用いて可視化する。またアクチン繊維については免疫染色法によって可視化を試みる。
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