2023 Fiscal Year Annual Research Report
Simultaneous expression system of herbicide-metabolizing genes key to the expression of multiple-herbicide resistance in E. phyllopogon
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22H02347
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
岩上 哲史 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (00761107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
権藤 崇裕 宮崎大学, フロンティア科学総合研究センター, 助教 (10437949)
赤木 剛士 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 教授 (50611919)
宮下 正弘 京都大学, 農学研究科, 准教授 (80324664)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 除草剤 / 抵抗性 / 雑草 / P450 / ゲノム |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)米国の多剤抵抗性タイヌビエにおける抵抗性の原因遺伝子座について、解読したゲノムを用いて昨年度までに候補領域を1 Mbpの範囲に絞り込んだ。関連研究として進めていた国内多剤抵抗性タイヌビエの原因遺伝子座のマッピング解析でも同じ領域に原因遺伝子があると推定された。米国系統で推定された領域と国内系統で推定された領域にはオーバーラップがあった。
(2)P450の発現パターンと高い相関性を示す転写因子3種についてP450遺伝子のプロモーターへの結合能を評価するため、タバコによるアグロインフィルトレーション法を用いたdual luciferase assayを行った。現時点ではポジティブな結果は得られてない。しかし、全体にシグナルが低く、実験系の見直しも含めて検討する必要がある。また(3)のカルスに転写因子をパーティクルガンで導入し、導入後2日目のカルスについて、P450遺伝子の発現について調査したが、発現変動は認められなかった。しかし、導入遺伝子そのものの発現についても誘導が認められなかったことから、実験系そのものの見直しが必要であると考えられた。
(3)タイプ2カルスをタイヌビエ形質転換に供試し、GUS遺伝子およびビアラホス耐性遺伝子を導入した。約60日間ビアラホスによる選抜を行った結果、耐性カルスの増殖が認められ、それらのいくつかはGUS発現を示した。パーティクルガン処理した約140個のカルスから、12のGUS発現を示す形質転換カルスが得られ、そのほとんどから再分化植物体が得られた。また再分化植物体からもGUSの発現が認められた。 今後、次世代種子を採取し、導入遺伝子のコピー数などの調査を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
並行して進めていた国内タイヌビエにおける抵抗性メカニズム研究の成果と合わせることで、抵抗性の原因遺伝子座を大きく絞り込むことができた。またタイヌビエの形質転換系については、形質転換体の選抜についても順調に進み、改善の余地はあるものの形質転換系が確立された。
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Strategy for Future Research Activity |
タバコによるアグロインフィルトレーション法を用いたdual luciferase assayについては、より感度の高いnano lucを用いることにし、より高感度な系でプロモーターへの結合能を評価する。さらに、タイヌビエカルスや植物体を用いたパーティクルガンによるdual luciferase assayについても検討する。加えて、構築した形質転換系を用いて、形質転換系を作出し、遺伝子の機能を解析する。
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