2023 Fiscal Year Annual Research Report
Clarification of mechanisms of soil nitrogen dyanamics considering mycorrizal type of trees-understory vegetation system
Project/Area Number |
22H02376
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
福澤 加里部 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 准教授 (10456824)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 武士 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 准教授 (10524275)
舘野 隆之輔 京都大学, フィールド科学教育研究センター, 教授 (60390712)
智和 正明 九州大学, 農学研究院, 准教授 (30380554)
菱 拓雄 九州大学, 農学研究院, 准教授 (50423009)
松山 周平 酪農学園大学, 農食環境学群, 准教授 (30570048)
木庭 啓介 京都大学, 生態学研究センター, 教授 (90311745)
野村 睦 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 助教 (20271629)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 林床植生 / 土壌窒素 / アンモニウム態窒素 / 硝酸態窒素 / ササ / ミズナラ / 菌根菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
ササ類の消失が森林土壌の窒素動態に及ぼす中長期的な影響を解明するため、ササ地上部除去開始から時間が経過した森林において、土壌中の無機態窒素量と正味の窒素無機化速度を測定した。北海道北部の北海道大学中川および天塩研究林、東部の京都大学北海道研究林標茶区(標茶)、九州大学北海道演習林(足寄)にてミズナラを対象木とし、ササ除去区と非除去区(対照区)を設定した。ササ除去開始から5年~20年以上経過したサイトを用いた。中川ではクマイザサ、天塩ではチシマザサ、標茶と足寄ではミヤコザサがそれぞれ林床に密生していた。また天塩では皆伐から20年経過したクマイザサ群落においても調査を行った。今年度は標茶での土壌採取、小型節足動物の存在量およびササ存在量の調査を行い、全サイトでの無機窒素量と正味窒素無機化・硝化速度の測定が完了した。 土壌の採取、分析においては、夏季に表層10㎝土壌を採取し、アンモニウム態・硝酸態窒素量 (NH4-N, NO3-N)と無機態N量(NH4-N + NO3-N)、正味のNH4-N・NO3-N生成速度およびそれらを合計した窒素無機化速度を定量した。 ササ除去はNH4-N量を有意に減少させ、無機態窒素量も減少させる傾向があった。一方、ササ除去はNO3-N量には有意な影響を及ぼさなかった。正味の窒素無機化速度はササ除去により有意に低下した。NH4-N量、NO3-N量、無機態窒素量と正味のNO3-N生成速度、正味の窒素無機化速度はサイト間で有意に異なっており、特にNO3-N量、正味のNO3-N生成速度が北海道東部の標茶、足寄で高く、北海道北部の中川、天塩で低かった。トビムシ、捕食ダニ等の存在量はササ除去区の方が低かった。 以上からササ消失は中長期的には土壌の窒素無機化を抑制し、無機窒素量を減少させ、小型節足動物の動態にも影響を与えることが明らかになった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全サイトでの土壌と土壌動物の採取、ササバイオマスの定量、土壌の無機態窒素量と正味窒素無機化速度の測定が完了した。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続き化学分析、DNA解析と収集したデータの解析を進め、パラメーター間の関係の解析を含めて、ササ除去の影響メカニズムを統合的に解析する。
|
Research Products
(8 results)