2022 Fiscal Year Annual Research Report
Evaluation of long-term carbon dynamics of northern forests and their dependencies on environment and forest structure using remote sensing and ground surveys
Project/Area Number |
22H02378
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高木 健太郎 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 教授 (20322844)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 俊也 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 教授 (60312401)
小林 真 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 准教授 (60719798)
佐藤 永 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(北極環境変動総合研究センター), 研究員 (50392965)
森 章 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (90505455)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 森林 / 炭素循環 / リモートセンシング / レーザー測量 / 景観 |
Outline of Annual Research Achievements |
北海道大学天塩研究林において航空機レーザ―測量を行い、2022年の樹冠表面標高(DSM)と2014年の地盤標高(DTM)の差分として樹冠高を1mメッシュで評価した。樹冠高の1ha平均値と森林バイオマスとの既存の関係を用いて、1haメッシュで2022年の森林バイオマスを評価するとともに、2014年から2022年までの森林バイオマスの変化量を評価した。この期間、森林バイオマスは年平均0.87±0.91 MgC/ha(n=23241)増加していた。この量は2004年から2014年の年平均値(0.42±0.66 MgC/ha)のおおよそ2倍であり、特に増加量が-0.5~1MgC/ha/年の林分が減少し、1~3MgC/ha/年の林分が増加していた。 航空機レーザ測量によって評価した1haメッシュの森林バイオマス分布を地上検証データとして利用し、使用権料の発生しない衛星情報を利用して森林バイオマスを推定する機械学習モデルを開発した。モデルによる森林バイオマスの再現能力は決定係数が0.77、相対平均標準誤差が21.7%であった。 長期観察林の観測情報より得られた北方林の森林動態に関するパラメータを組み込んだ個体ベースの森林動態モデルを開発した。研究対象地域においては、標高と地形湿潤度が森林のバイオマスや針葉樹の割合に影響を与えており、各樹種について、乾燥・湿潤耐性や定着率、枯死率を調整することにより、実際の森林タイプの分布パターンを再現することができた。75年シミュレーションの森林バイオマスが一番再現性が高く、これには同程度の頻度で出現する壊滅的な台風の影響を受けている可能性が示唆された。しかし針葉樹/広葉樹の割合を再現するにはさらなるモデルの改良が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
レーザ計測の点密度を8年前と同程度とすることにより、当初の計画よりも観測対象地を拡大し、天塩研究林全域(225 km2)で航空機レーザ測量を行うことができた。直近8年の森林バイオマス増加量は、前10年の増加量の2倍であった。1haの林分23241区間を対象にしたバイオマス増加量の頻度分布のレンジには、両期間で大きな違いはないものの、増加量が-0.5~1MgC/ha/年の林分が減少し、1~3MgC/ha/年の林分が増加していた。 使用権料の発生しない衛星情報を利用して森林バイオマスを推定する機械学習モデルを開発した。このモデルを利用することにより、北海道を対象とした森林バイオマスの広域評価を行う目途が立った。 研究対象地の森林を構成する各樹種の成長、枯死、定着特性をパラメータに組み込んだ個体ベースの森林動態モデルを開発した。実際の針葉樹/広葉樹の割合を再現するにはさらなるモデルの改良が必要である。林床に繁茂するササの影響を加えることを検討している。以上より年次計画の予定通り研究が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
航空機レーザ観測データの解析では次年度以降、バイオマス変化量を成長成分と枯死成分に分けた解析を行い、定量的な森林の炭素循環過程を明らかにするともに、森林構造や環境要因との関係を明らかにする予定である。さらには直近8年と前10年の炭素動態を比較し、経年変化の規模を議論する。 航空機レーザ測量の観測精度を8年前と同レベルにまで落とすことにより、観測対象面積を大幅に増やすことができたものの、森林構造の詳細な解析に影響を与える可能性も考えられる。次年度以降、UAVレーザ測量を一部の森林で行うことによって、観測点密度がバイオマス推定に及ぼす影響について検討する。 個体ベースの森林動態モデルの改良を継続する。北海道の森林の林床に繁茂するササは森林動態にも大きな影響を与えているため、モデルによりその影響を再現する。 今年度開発した衛星情報によるバイオマス推定アルゴリズムを用いて、北海道の森林を対象に森林バイオマスとバイオマス変化の推定を試みる。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Long-term monitoring on the dynamics of ecosystem CO2 balance recovering from a clear-cut harvesting in a cool-temperate forest2022
Author(s)
Takagi, K., Aguilos, M., Liang, N., Takahashi, Y., Saigusa, N., Koike, T., Sasa, K.
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Journal Title
Eurasian Journal of Forest Research
Volume: 22
Pages: 49-51
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Accuracy Assessment of Photochemical Reflectance Index (PRI) and Chlorophyll Carotenoid Index (CCI) Derived from GCOM-C/SGLI with In Situ Data2022
Author(s)
Sasagawa, T., Akitsu, T.K., Ide, R., Takagi, K., Takanashi, S., Nakaji, T., Nasahara, K.N.
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Journal Title
Remote Sensing
Volume: 14
Pages: 5352
DOI
Peer Reviewed / Open Access