2023 Fiscal Year Annual Research Report
変貌する日本林業のミクロデータ分析:農林業センサスと国勢調査を用いて
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22H02379
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
林 宇一 宇都宮大学, 農学部, 准教授 (60713196)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 亘 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (00353764)
藤野 正也 福島大学, 食農学類, 准教授 (00792392)
芳賀 大地 鳥取大学, 農学部, 助教 (10776438)
林 雅秀 山形大学, 農学部, 教授 (30353816)
多田 忠義 株式会社農林中金総合研究所, リサーチ&ソリューション第2部, 主事研究員 (40725248)
藤掛 一郎 宮崎大学, 農学部, 教授 (90243071)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 農林業センサス / 国勢調査 / 農林業経営体 / 客体候補名簿 |
Outline of Annual Research Achievements |
農林業センサスに関しては,個票データ整備が終了し,各担当者にデータを提供し,分析がすすめられた。また,国勢調査に関しても個票データが取得され,分析方針が決定された。2024年3月には,日本森林学会大会において企画セッションが設定された。 そこでは,田中,早舩を除く全員が発表を行い,経営体全体,保有山林条件において林業経営体と認識されるもの,林業作業の受託状況,立木買い量から林業経営体と認識されるものの区分から,それぞれ発表が行われた。 発表では,1年間の分析の成果,及びこれから二年間の分析を進めるための方向性の整理と,本研究の意義について確認が行われた。発表内容は,林宇一が本研究の全体像及び藤掛が林業作業受託・立木買いと保有山林状況の両面からの経営体分析,林雅秀が保有山林面積規模と林業作業状況に関する分析,藤野が林業作業受託・立木買いを行う経営体に関する分析,多田及び芳賀が農業及び林業を行う経営体に関する分析,笹田が施設森林組合を対象とした分析を行った。 国勢調査に関しては,農林業センサスデータの各担当者への配布後,総務省と連絡を取り,これについても個票データの取得が無事に行われた。データは文字の羅列として提供されたため,これを設問ごとに区切り,分析可能なデータセットとして加工し,その上で担当者に配布するところまで実施された。大きな方針として,どのような人たちが林業に従事しているのかを分析することが確認され,まずは林業従事者の分析を行うことから抽出詳細集計データを中心に分析を進めることが確認された。 これらを踏まえ,今後,引き続き論文投稿などを含めて,研究を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
まず、農林業センサスについては、4年間の研究期間のうちのちょうど中間にあたる2年が終了した時点おいて、日本森林学会で企画シンポジウムを開催し、目標としていた中間報告ができた。また中間報告では、研究プロジェクト参加者のうち2名が別テーマでの発表、シンポジウム登壇のため報告できなかったものの、他7名全員が報告した。加えて当該シンポジウムで報告しなかった2名を含めた9名全員が、昨年度月1回開催した研究打合せにおいて、進捗状況や研究内容について報告した。 国勢調査についても個票データの取得ができ、文字列データを区切り、3名の各担当者に分析可能な形で配布された。国勢調査分析においても、分析方法の検討が開始され、特に、全数調査データが利用できる林業就業者よりも、抽出データになるが現場従事者にフォーカスした林業従事者についての分析をまずは進めていくこと、具体的な分析視点として、国勢調査特徴を生かし、職業と産業の分類、移動、世帯という視点から分析を進めていくことが確認された。
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Strategy for Future Research Activity |
農林業センサスについては、2年間の目標として、1)成果の最終報告の場として再度シンポジウムを開催する、2)行政との連絡を密にとることで、林業経営体に対する調査実施において抱える課題を一つでも解消していく、ことを目指していく。特に2)として、農林業センサスのうち、特に林業関連について行政の森林・林業政策での利用が少ない点を鑑み、いかに利用拡大を図るか、また利用拡大を図る上での課題は何かを整理し、行政との連絡を積極的にとることで森林・林業行政での利用拡大のための努力をしていくこと、そのため行政の方を対象とした研究交流会の開催を目指していく。
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