2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a simultaneous evaluation method of biodiversity and carbon stock in forest ecosystems using satellite-borne LiDAR data
Project/Area Number |
22H02392
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Forest Research and Management Organization |
Principal Investigator |
佐藤 保 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (20353708)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 麻穂子 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (00455263)
五十嵐 哲也 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (30353569)
澤田 義人 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 研究開発部門, 主任研究開発員 (50595767)
今井 正 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 研究開発部門, 主幹研究開発員 (60768737)
三橋 怜 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 研究開発部門, 研究開発員 (70817478)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 森林炭素 / 樹木種多様性 / 衛星ライダ / 広域推定 / 階層構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は照葉樹林を対象にレーザ距離計を用いた階層構造の把握を地上で行うとともに、UAVに搭載したレーダによる点群データを活用し、林分高の空間分布の把握を行なった。遷移段階の異なる林分で葉群の階層構造をレーザ距離計による計測結果で比較したところ、階層構造の複雑さを示すFHD(Foliage Height Diversity)は成熟林・老齢二次林で平均3.01であったのに対し、30から50年生の二次林では平均2.68の値を示し、成熟林でより多層な葉群の構造が認められた。また、これらFHDと地上部現存量(AGB)との関係を見ると、正の関係が認められた。一方で多様度指数(種数やShannonのH’)との間には明瞭な関係が認められなかった。FHDが高い林分では葉量も多く、その結果、地上部現存量も高くなると考えられた。地上部現存量30年前後の二次林では成熟林に比べて先駆性樹種が含まれる割合が多く、多様度指数が相対的に高くなると考えられた。広域推定の手法開発のためにFHDだけではなく、新たに林分構造を示す指数を加える必要がある。 また、伊豆半島の一部を対象にして、MOLIによる観測を模擬したデータセットを作成し、広域でのFHD推定を試行した。まず、静岡県が計測したレーザ点群データを元に50m間隔のメッシュ交点で樹高(RH95)とFHDを計算して実測値とした。これらの値と点群データから波形データをシミュレーションにより作成して求めたFHDの推定値との比較を行った。波形シミュレーションの結果からは、衛星ライダデータによって広域にFHDの推定は可能であるが、実測値との差が大きい場所も存在している。より精度の高い面的推定には、傾斜や森林タイプによる補正が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通りに常緑広葉樹林での階層構造把握とUAVによる点群データの取得ができたことから、計画通りに順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
多様性と炭素量の広域推定を可能とするために、リモセンデータで取得できる階層構造に関する指標を明らかにし、その指標取得のための地上調査方法もまとめる。得られた成果に基づき、観測対象地が含まれる地域(流域~県レベルを想定)の森林構造マップ、炭素蓄積量マップ、多様性マップを作成し、地上調査データや高空間分解能データなどを用いて検証を行う。
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