2022 Fiscal Year Annual Research Report
Are zooplankton feeding habits influenced by its symbiotic bacterial community in its intestine?
Project/Area Number |
22H02425
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
伴 修平 滋賀県立大学, 環境科学部, 教授 (50238234)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
リュウ キン 滋賀県立大学, 環境科学部, 研究員 (10843360)
細井 祥子 (田辺祥子) 滋賀県立大学, 環境科学部, 准教授 (80423226)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 共生細菌叢 / 動物プランクトン / 食性 / 琵琶湖 |
Outline of Annual Research Achievements |
琵琶湖に優占するカイアシ類Eodiaptomus japonicusおよびCyclopoida spp.、枝角類Daphnia pulicariaの身体および糞便から得られた細菌群集構造を明らかにすることを目的とし、琵琶湖北湖に設定した一定点(緯度35°18′32.6″N, 経度136°8′38.9″E, 水深70 m)において、20 m以浅の動物プランクトンを採取し、そこから上記3分類群について細菌・古細菌特異的16S rDNA V4 領域を標的としたメタバーコーディング解析を行った。 解析の結果、合計669 個の細菌 OTU が得られたが、古細菌のそれは得られなかった。E. japonicus の身体および糞便における細菌群集の多様性は他の2分類群と比較して高かった。どの動物プランクトン分類群の身体においても、門レベルではProteobacteria、Bacteroidetes、 Firmicutesおよび Actinobacteriaが優占していた。目レベルで見てみると、これらホスト3分類群間の細菌群集構造は異なっており、D. pulicaria および Cyclopoida spp.ではAeromonadales (Gammaproteobacteria)が優占し、一方、E. japonicusではBurkholderiales (Betaproteobacteria)が優占した。これらの違いはホストの摂餌様式、餌選択性、あるいは摂餌行動の相違によるのかもしれない。一方、ホスト3分類群の糞便中における細菌群集は類似しており、Pelagibacteraceaeが優占していた。これら3分類群のいずれにおいても、身体と糞便の細菌組成は大きく異なり、これは糞便中には消化管を通過する一過性の細菌が含まれているためであると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初計画していた秋以降のサンプリングが荒天のため出港できなかったことにより実施できず、季節毎あるいは生息深度毎の解析が進んでいない状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度秋以降のサンプリングによって全ての試料が揃った段階で、主要3分類群の動物プランクトンに共生する細菌群集組成について季節毎および生息深度毎の解析を進める予定である。また、これとは別途、異なる食性を持つ動物プランクトン分類群の共生細菌叢を入れ替える実験を実施予定である。
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