2022 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular mechanism of bio-defense and homeostatic functions of the complement activation in fish cutaneous mucus
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22H02434
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中尾 実樹 九州大学, 農学研究院, 教授 (50212080)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 補体 / コイ / 硬骨魚類 / 体表粘液 / 活性化 / C3 |
Outline of Annual Research Achievements |
血中の補体系を構成する古典経路(抗体依存的)、レクチン経路(マンノース結合レクチンによる糖鎖認識依存的)および第二経路( 特定の認識分子の関与無しに微生物成分によって自発的に活性化)が、コイ体表粘液中ではどのような物質で活性化されるかを検討した。その結果、哺乳類の補体第二経路・レクチン経路を活性化することが知られているZymosan(パン酵母細胞壁画分)によって、コイ体表粘液中の補体が活性化されることが確認できた。さらに、補体第二経路の強力な活性化物質として知られるウサギ赤血球に対するコイ体表粘液の溶血活性を検討したところ、2価陽イオン依存的な溶血活性が検出され、補体の細胞障害経路が働いていることが示唆された。ただし、抗コイC9を用いたイムノアッセイでC9の結合は検出できていないため、細胞障害経路の活性化についてはさらなる検討が必要である。補体活性化に伴う補体成分C3活性化産物の挙動を解析したところ、活性化物質であるIgMをコートしたELISAプレートに対して、コイC3の活性化断片であるC3bおよびiC3bの結合が認められた。このELISA法により、今後、コイ体表粘液の補体活性化能を定量的に評価することが可能になった。ELISAにおける膜侵襲複合体の沈着を抗コイC5および抗コイC9を用いたイムノアッセイによって試みたが、ここでもC5やC9は検出できなかった。細胞障害経路の活性化を、同経路の構成成分の沈着で直接証明することはできなかったが、ウサギ赤血球に対する溶血活性は認められるので、今後、イムノアッセイの検出感度を高めて再検討する。 粘液中補体活性化の初期成分の検討については、IgMが関与する反応とIgMに依存しない反応が認められた。この実験では、標的異物としてコイの病原細菌を使用したので、体表粘液中補体の実際の病原体への反応が実証された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた、補体活性化経路のなかで細胞障害経路が体表粘液中でも機能しうるかどうか、については、溶血活性の検出によって、その可能性が高いことが示唆された。実際の細胞障害経路成分の標的への結合をタンパク質レベルで証明できていない点が、要検討事項として残されている。 また、補体活性化の初期成分については、IgMが関与する補体古典経路の活性化を証明できた点は有意な進展であると考えられる。 以上の点から、本年の進捗は(2)とした。
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Strategy for Future Research Activity |
コイ補体系の細胞障害経路を構成する成分のうち、C5, C9の検出については、イムノアッセイの感度を高めて再検討する。感度の向上には、ビオチン・アビジンによるシグナルの増幅および化学発光によるシグナルの検出を導入する。さらに、障害経路の中間で活性化を媒介するC7の体表粘液中での関与も検討に加えたいが、これには抗C7の作成が必要である。免疫原の準備ができ次第取り組む予定である。
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Research Products
(8 results)