2022 Fiscal Year Annual Research Report
Applications of no-till seeder and transplanter to slash-and-mulching cultivation aiming at electrical and autonomous operations
Project/Area Number |
22H02466
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
庄司 浩一 神戸大学, 農学研究科, 准教授 (10263394)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小松崎 将一 茨城大学, 農学部, 教授 (10205510)
渡邊 芳倫 福島大学, 食農学類, 准教授 (30548855)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 不耕起栽培 / 作溝ディスク / 転動 / 強制駆動 / 栽培実験 / 発芽率 / 分げつ |
Outline of Annual Research Achievements |
農業機械の電動化におけるボトルネックとなる耕うん作業を代替して,不耕起播種および不耕起田植を導入した。全面耕うんと異なり,作溝の生成といったミクロな操作に制御が容易な電動機を用いることを想定して試作機を製作した。作物生育管理には環境保全型農業で実用化が進む草生栽培を導入して試作機の実証を行った。 ○耕うんされていない条件で播種や移植を行うには,あらかじめ作溝をしたところに種子や苗を置いていく必要がある。まず,強制駆動を行わずに斜めに転動しながら作溝するディスク(丸鋸刃)を搭載した,管理機けん引用2条不耕起播種機(畑作ダイズ用)および乗用5条植不耕起田植機(水稲用)を試作した。 ○不耕起播種機は福島大学の農場にて,不耕起ダイズ播種に供試し,収穫まで栽培することができた。ただし地面が不均一で播種溝の深さ不足となる箇所に起因すると思われる発芽不良により,慣行栽培と比べて減収となった。不耕起田植機は茨城大学の農場にて,冬季のイタリアンライグラス栽培後にそのまま湛水して移植実験に供試し,同様に収穫まで栽培することができた。ただし播種溝の深さ不足に起因すると思われる活着不良とそれに伴う分げつ不足のため,慣行栽培と比べて減収となった。 ○不耕起播種機について,手押し式1条の市販機をベースに,作溝ディスクを強制駆動する試作機の製作を行った。不耕起田植機について,乗用6条の市販機をベースに,枕地ロータに取り付けたディスクを強制回転して作溝する試作機の製作を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実用に耐えうる播種機および田植機が試作でき,それらを実際の不耕起草生ダイズおよび水稲の栽培実験に供することができた。ダイズの栽培実験を受けて,播種機の播種溝深さの安定問題に取り組むために,シーズン後に作溝ディスクを強制駆動する不耕起播種機を試作した。イネの栽培実験を受けて,播種溝の深さを確保するために,同様にシーズン後に作溝ディスクを強制駆動する不耕起田植機を試作した。播種機・田植機とも,栽培に向けた暫定の試作機と,栽培実験をうけた試作機を完成できたのは予定以上の進捗であった。ただし実用面を重視した試作に研究の方向をシフトしたために,当初予定していた作溝ディスクの力学的な特性を測定する実験は未実施に終わった。
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Strategy for Future Research Activity |
分担している福島大学および茨城大学の不耕起草生栽培実験で得られる様々なフィードバックを試作機に反映して改良を重ねていく。また,栽培実験を円滑に行うためには,研究課題のタイトルに示した播種機・田植機の応用のみならず,草生しているカバークロップをあらかじめ適切に処理することや,不耕起栽培に特有の雑草対策もあわせて検討していく必要があることが明らかになってきた。これらの栽培現場の要求に応える過程で,小型かつ電動化を前提とした試作機を製作していくことで,本課題の目標に成果を近づけていきたい。
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