2022 Fiscal Year Annual Research Report
Visualization of physioecological information of crop canopy on farming sites by establishing hybrid AI models.
Project/Area Number |
22H02468
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
北野 雅治 高知大学, IoP共創センター, 特任教授 (30153109)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩尾 忠重 高知大学, 教育研究部総合科学系複合領域科学部門, 教授 (30930440)
野村 浩一 高知大学, 教育研究部自然科学系農学部門, 准教授 (90897852)
和島 孝浩 旭川大学短期大学部, その他部局等, 教授 (70600196)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 作物生理生態 / Hybrid AI Model / 施設園芸 / 光合成 / 高付加価値化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、施設園芸の主要な作物類(トマト、パプリカ、イチゴ、キュウリ、ホウレンソウ等)を対象にして、営農現場での作物群落の生理生態情報(光合成、蒸散、葉温、葉面積等)の可視化を実現するHybrid AIモデル群を構築することであり、初年度のR4年度においては、下記の成果を得た。 (1)作物群落の生理生態の可視化のために必要となる説明性の高い情報として、個葉の光合成、蒸散、葉温等の理論的モデル群に含まれるパラメータ(最大カルボキシル化速度、最大電子伝達速度、葉面境界層コンダクタンス等)を、各作物で同定可能にした。(2)園芸施設の作物群落内の微気流条件下で葉面境界層コンダクタンスを実測可能な「葉面対流センサ」を新規に開発した。(3)作物群落の光合成速度、蒸散速度、葉温の時系列情報出力するHybrid AIモデルのプロトタイプを構築した。(4)作物群落のRGB画像から、光合成有効光量子束密度(PPFD)の作物群落内空間分布の情報への変換に成功し、個葉光合成速度の群落内空間分布の可視化の実現可能性を示唆した。(5)生殖成長(開花、着果、果実肥大)及び高付加価値化のHybrid AIモデルの構築のための教師データ取得を可能にし、環境および生理生態の過去データに基づく作物の履歴情報を説明性の高い情報として導入するHybrid AIモデルのプロトタイプを提案した。(6)寒冷地での低温ストレスによる野菜の高付加価値化のHybrid AIモデルの構築に向けて、脱石油低温ストレス緩和システムを構築した。(7)Hybrid AIモデル群の検証のための入出力情報の営農現場(協力農家群、高知大学附属農場ハウス、旭川大学試験ハウス等)での取得を可能にした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
冬季の雪害によって、高知県佐川町イチゴ農家群のハウスでの観測が不可能となったが、当初予定していた、個葉の光合成、蒸散、葉温等の理論的モデル群に含まれるモデルパラメータ(最大カルボキシル化速度、最大電子伝達速度、葉面境界層コンダクタンス等)の同定、新規葉面対流センサの開発、作物群落の生理生態の時系列情報を出力するHybrid AIモデルの構築、作物群落のRGB画像に基づく個葉光合成速度の群落内空間分布の可能性の示唆、脱石油低温ストレス緩和システムの構築等を実現し、研究成果に関連する論文投稿、学会発表、特許出願もできたので、次年度研究計画に向けて、概ね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、下記の達成目標Ⅰ~Ⅳで構成されている。 【達成目標Ⅰ】作物群落の生理生態に関する説明性の高い情報群の創出 【達成目標Ⅱ】作物群落の光合成、蒸散、体温の時空間変動の可視化 【達成目標Ⅲ】作物群落の生殖成長、収量、高付加価値化の時系列情報の可視化 【達成目標Ⅳ】営農現場でのHybrid AIモデル群の検証と機能強化 2年目のR5年度においては、達成目標Ⅰに関して、R4年度に確立した説明性の高い情報群(個葉光合成、個葉蒸散、葉面積指数、個葉温度)の創出法に加えて、説明性の高い情報の抽出、選定に有効な自動因子分析法を確立すると共に、確立した因子分析法を用いて、過去データに基づく説明性の高い履歴情報群の創出も検討する。達成目標Ⅱに関しては、作物群落の生理生態の時系列情報を出力するHybrid AIモデルの検証と、作物群落のRGB画像から、群落内の受光量、光合成速度の鉛直分布の可視化法を開発する。達成目標Ⅲに関しては、履歴情報を活用する収量、高付加価値化に関するHybrid AIモデルを構築し、生理生態AIエンジンへの組み込みを検討する。達成目標Ⅳに関しては、Hybrid AIモデル群の検証のための入出力情報の営農現場(協力農家群、高知大学附属農場ハウス、旭川大学試験ハウス等)での継続的な取得を実施すると共に、構築したHybrid AIモデル群の学習を逐次実施しながら、研究成果群の作物生産現場での活用を念頭に、研究を推進する。
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Research Products
(22 results)