2022 Fiscal Year Annual Research Report
Regulatory mechanism of plasma amino acid-Amadori product concentrations of hyperglycemic chickens
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22H02490
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
喜多 一美 岩手大学, 学長・副学長等, 理事 (20221913)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村岡 宏樹 岩手大学, 理工学部, 准教授 (50546934)
牧野 良輔 愛媛大学, 農学研究科, 講師 (80772821)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | アマドリ化合物 / アミノ酸 / グルコース / 3-デオキシグルコソン / フルクトサミン-3-キナーゼ / 血中半減期 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度では、第一に「課題②:フルクトサミン-3-キナーゼ(FN3K)によるアミノ酸アマドリ化合物(AA-AP)の分解速度」について研究を進めた。 FN3KによるAA-APの分解速度測定において、AA-APから生成される3-デオキシグルコソン(3DG)を測定する必要がある。そこで、高速液体クロマトグラフィー質量分析計(LCMS)を用いて3DGが検出可能か否かを検討したところ、3DG単分子由来の陽イオンは検出できなかった。しかし、m/z 407(+)、425(+)、443(+)のピークが検出され、これらのピークを利用することによりLCMSを用いて3DGを定量可能であることが示された。また、3DGが他の有機化合物と結合することを阻害するためにアミノグアニジンをサンプルに添加し、m/z 219(+)のピークを検出するにより3DGを定量可能であることが示された。 LCMSを用いた3DGの定量に用いる内部標準としての13C標識3DGを自ら有機合成できるか否かを検討した。その結果、13C標識グルコースとベンゾイルヒドラジンから13C標識3DG-ヒドラジンを合成し、13C標識3DG-ヒドラジンから13C標識3DGを生成可能であることが示された。 AA-APが腎臓ホモジナイズ中のFN3Kによって分解されるか否かを調査したところ、m/z 219(+)のピークが検出され、AA-APがFN3Kによって分解されることが示された。 第二に、「課題③:血漿中AA-APの半減期と排泄速度」についても研究を進めた。 今までに、バリンAP及びグリシンAPの血中半減期はそれぞれ39分及び37分であることを示した。今年度は、イソロイシンAP、ロイシンAP、フェニル-アラニンAP、トリプトファンAP及びチロシンAPの半減期を測定し、それぞれ58分、41分、24分、54分及び35分であることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和4年度では、「課題①:非酵素的糖化反応によるアミノ酸アマドリ化合物(AA-AP)の生成速度」を計画していたが、実験は現在も進行中であり、結果は令和5年度中旬に出る予定である。 令和4-5年度に計画していた「課題②:フルクトサミン3-キナーゼ(FN3K)によるAA-APの分解速度」に関しては、高速液体クロマトグラフィー質量分析計(LCMS)を用いて3-デオキシグルコソン(3DG)を測定する際に必要となる内部標準(13C標識3DG)を13C標識グルコースとベンゾイルヒドラジンから生成することが可能となった。LCMSを用いた3DGの測定では、3DG単分子由来の陽イオンは検出できなかったが、m/z 407(+)、425(+)、443(+)のピークが検出された。また、3DGが他の有機化合物と結合することを阻害するためにアミノグアニジンをサンプルに添加し、m/z 219(+)のピークが検出され、これらのピークを検出することにより3DGを定量可能であることが示された。また、AA-APが腎臓ホモジナイズ中のFN3Kによって分解されるか否かを調査したところ、3DGとアミノグアニジンの化合物を示す m/z 219(+)のピークを検出することができた。これらの結果を元に、令和5年度では14C標識AA-APが腎臓細胞へ取り込まれるか否かを調査すると共に、分解速度も測定する予定である。 令和5-6年度で実施予定であった「課題③:血漿中AA-APの半減期と排泄速度」の一部を先行実施した。その結果、イソロイシンAP、ロイシンAP、フェニル-アラニンAP、トリプトファンAP及びチロシンAPが、それぞれ58分、41分、24分、54分及び35分であることが示された。 以上より、研究は当初の計画の順番を一部変更して遂行され、期待された結果が得られたことから、「研究は概ね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度では、「課題①:非酵素的糖化反応によるアミノ酸アマドリ化合物(AA-AP)の生成速度」に関しては、体タンパク質構成アミノ酸を1種類ずつグルコースと共に溶解し、41℃で3日間インキュベーションする。インキュベーション中に経時的にサンプリングし、AA-AP濃度の生成速度を算出する。実験は現在進行中であり、結果は令和5年度中旬に得られる予定である。 令和4-5年度に計画していた「課題②:フルクトサミン3-キナーゼ(FN3K)によるAA-APの分解速度」に関しては、14C標識AA-APを有機合成し、14C標識AA-APが腎臓細胞へ取り込まれるか否かを調査する。腎臓ホモジナイズ中のFN3KによるAA-AP分解に伴って生成される3DGは、3DGとアミノグアニジンの化合物を示す m/z 219(+)を検出することで測定し、分解速度も測定する予定である。 令和5-6年度で実施予定であった「課題③:血漿中AA-APの半減期と排泄速度」に関しては、まだ測定していないAA-APの血中半減期を測定する予定である。 また、ある種のAA-APは一定の血漿中濃度を保つことから、AA-APに結合し、分解・排泄から保護しているタンパク質の存在が考えられた。そこで、最も高い血漿中濃度を示したリジンAPを放射性同位元素(14C)で標識し、ニワトリの血漿と共に4℃で一晩インキュベーション後、分子ふるいカラムクロマトグラフィーで分画して各画分の放射能を測定する。ここで、タンパク質画分に放射能が検出されれば、14C標識リジンAPがタンパク質に結合したことになる。次に、2次元電気泳動と14C標識リジンAPを用いたオートラジオグラフィーによりAA-AP結合タンパク質を単離し、TOF-MS/MSを用いてアミノ酸配列を決定後(外注)、タンパク質を同定する予定である。
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Research Products
(4 results)