2022 Fiscal Year Annual Research Report
腸内細菌叢と宿主DNAマーカーによる新規ブタ育種基盤の構築
Project/Area Number |
22H02492
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
上本 吉伸 東北大学, 農学研究科, 准教授 (50606837)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北澤 春樹 東北大学, 農学研究科, 教授 (10204885)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 腸内細菌叢 / SNP / ブタ育種 / 予測モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ブタにおける産肉形質の改良速度を高めるため、宿主のゲノム情報と腸内細菌叢の情報を組み込んだ新たな育種価予測モデルを開発し、腸内細菌叢と家畜育種学を融合した新規ブタ育種基盤を構築することを目的としている。本研究では、三元交雑豚の止め雄として利用されるデュロック純粋種を対象に、最終的に約1000頭のサンプルを用いた解析を目標としている。2022年度では、解析に必要なサンプル収集を図ることが主な課題であり、産肉形質の記録、SNP遺伝子型判定用のDNAサンプルの収集、菌叢解析用の糞便サンプルの収集を行った。糞便サンプルは、直接能力検定修了時にサンプリングを行い、2021年度までのサンプルと合わせて900頭以上のサンプルが得られた。このうち800頭について、得られた糞便サンプルから細菌DNAを抽出し、16S rRNA遺伝子可変領域の遺伝子配列を次世代シークエンサーによって解読した。得られた800頭の菌叢データを用いて、環境要因が菌叢組成に与える影響について調査した。その結果、本集団では、性、年次、季節、飼料区などの環境要因が菌叢組成に与える影響は少ないことが明らかとなり、個体間で見られる菌叢の違いが遺伝的な要因であることが期待された。2023年度では、引き続きサンプリングを行い、合計1000頭以上の糞便サンプルを確保するとともに、必要サンプルが得られ次第、遺伝解析を実施し、ホストジェネティクス、産肉形質、腸内細菌叢間の関係を明らかにする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、約1000頭のデータを用いた解析を目標としている。2022年度までに900頭以上のサンプルを収集した。そのため、サンプル収集が当初計画に比べて十分に実行できていると判断している。また、800頭については糞便サンプルを用いた菌叢解析を実施し、各個体の菌叢データを得た。これら菌叢データを用いた統計解析を実施し、環境要因の影響についても調査したことから、当初計画していた計画を十分に達成している。
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Strategy for Future Research Activity |
残りのサンプリングを2023年度に行い、解析に必要な個体約1000頭を確保する。また、サンプルが得られ次第、16S rRNA解析を行う。これまで得られたサンプルについては、高密度SNPチップを用いたSNP遺伝子型判定を行い、ゲノム情報を収集する。
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