2022 Fiscal Year Annual Research Report
5-ALA産生乳酸菌の作製とその家畜用ワクチンプラットホームとしての可能性
Project/Area Number |
22H02498
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
畑生 俊光 岡山大学, 環境生命科学学域, 准教授 (60344917)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒川 健佑 岡山大学, 環境生命科学学域, 准教授 (50609930)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 乳酸菌 / 5-ALA / 鶏コクシジウム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究年度は、①有用乳酸菌株の選択および②5-ALA産生乳酸菌の作製を目標に研究を行った。このうち、①について約20日齢の白色レグホーン種幼雛および約500日齢のロードアイランドレッド種成鶏雌腸管より乳酸菌の分離を試みた。腸管内容物は滅菌生理食塩水で段階希釈後、シクロヘキシミドを添加した各種寒天培地にて塗抹培養した。培養は嫌気的に40℃で48時間行った。幼雛腸管内の生菌数は6.23-9.36 log CFU/gで、大腸を除いて下部にいくほど菌数が多かった(十二指腸<空腸<大腸<回腸<盲腸だった)。一方、成鶏腸管の生菌数は部位ごとの差は幼雛ほど大きくなく、8.23-9.24 log CFU/gであった。分離培地ごとの生菌数の差はそれほど見られず、明確な傾向はなかった。次に、なるべく形態の異なるコロニーを釣菌・継代培養したところ、実験①からは培養可能な幼雛および成鶏腸管由来の233および418菌株がそれぞれ得られた。そして、培養液pH < 5.0となった230および389菌株を乳酸菌の候補として選抜した。②については、プラスミド選択および遺伝子導入用乳酸菌の検討にとどまった。 一方、免疫賦活効果の高いアシドフィルス乳酸菌と5-ALAの同時給与による抗コクシジウム効果の検討を行った。その結果、アシドフィルス乳酸菌単独投与時で対照群と比較して約60%のオーシスト排出抑制効果がみられたが、5-ALAをアシドフィルス菌と同時給与することにより約80%のオーシスト排出抑制効果が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ニワトリ由来の乳酸菌の分離は行ったものの、分離株数が想定以上に多かったこと(合計約500株)、解析に利用するマクロファージ細胞株を変更した(J774からRAW247へ変更)ことで分離乳酸菌のin vitroでの特性解析に時間を要している。また5-ALA産生乳酸菌の作製に関して、遺伝子導入体の作製に時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
分離した乳酸菌の免疫学的特性の解析を早急に進める(今年度前半をめどに終了する)。遺伝子導入体の作製は、市販の乳酸菌用プラスミドを用いているが、共同研究者の所持している独自の乳酸菌用プラスミドの利用も検討する。
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