2023 Fiscal Year Annual Research Report
間葉系幹細胞エクソソームを用いた治療の基盤技術の開発と脊髄再生誘導への応用
Project/Area Number |
22H02524
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
西田 英高 麻布大学, 獣医学部, 准教授 (00622804)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田畑 泰彦 京都大学, 医生物学研究所, 教授 (50211371)
枝村 一弥 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (80366624)
藤田 直己 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (10554488)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | エクソソーム / 間葉系幹細胞 / イヌ / 脊髄損傷 / 徐放 |
Outline of Annual Research Achievements |
既存の治療では回復が認められない脊髄損傷に対する新たな治療法として、間葉系幹細胞を用いた再生治療が期待されている。近年、幹細胞から分泌されるエ クソソームが組織修復に重要な役割を担っていることが明らかとなってきているが、エクソソームの臨床応用に際して、回収法や効果を長期的に維持することが 課題となっている。本研究では、スケールアップが可能なエクソソームの産生・精製技術を開発し、新たな再生治療の基盤技術を確立することを目的に、本年度はエクソソーム徐放材について、検討した。正の電荷を付与したハイドロゲルでは、その他のハイドロゲルと比較して、エクソソームを選択的に吸着する傾向が認められた。また、熱架橋を行う時間によってハイドロゲルの分解速度を調整することが可能であった。 さらに、正の電荷を付与したハイドロゲルを用いて、イヌ骨髄間葉系幹細胞由来エクソソームを脊髄損傷ラットに埋植したところ、コントロールと比較して、埋植14日および28日においてBasso, Beattie and Bresnahan Scoreにて運動機能の改善が認められた。以上のことから、正の電荷を付与したハイドロゲルを用いて間葉系幹細胞由来エクソソームの徐放に成功し、徐放された間葉系幹細胞由来エクソソームは脊髄損傷ラットの運動機能の促進に寄与することが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
大学の異動に伴って、研究を予定通りに進めることができず、研究に遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
iPS細胞から間葉系幹細胞に分化してエクソソームの回収ができないか実施するとともに、間葉系幹細胞の株化についても実施する予定である。また、脊髄損傷に対するエクソソームの修復機序についても検討する予定である。
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