2023 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of the mechanism for maintaining the dormancy of primordial follicles due to physical stress (compression).
Project/Area Number |
22H02532
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
永松 剛 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (70453545)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 原始卵胞 / 圧力刺激 / リン酸化 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに圧縮圧力に反応して転写因子FOXO3が卵母細胞内で局在を変化させていることを見出し、SCFによって誘導されるcKitの719番目のチロシン残基リン酸化が圧縮圧力によって抑制されることを明らかとしている。すなわち圧縮圧力は卵母細胞に直接作用しcKitのリン酸化を調節することで静止期維持に働いていることが示唆される。これまでに組織内の卵母細胞の免疫染色においてcKitが細胞室内で凝集している像が観察されることがあったがその意味はわかっていなかった。圧縮圧力の作用によって細胞表面のcKitが細胞内に凝集するのではないかと仮説を立てその検証を試みた。まず圧縮圧力を作用させることで細胞質のc-Kitの凝集が増加するのかを解析したところ、圧縮圧力により卵母細胞内でc-Kitの凝集量が増加することが明らかとなった。この際にcKitの可視化は蛍光ラベルの抗体で行っており、圧縮圧力の作用前に染色している。そのため圧縮圧力による細胞質のcKitの凝集量の増加は細胞表面のcKitが移動したものと考えられる。次に、エピトープの異なる2種類のcKit抗体を用いて圧縮圧力を作用させる前後で2つ目の抗体を作用させるという実験を行ったところ、圧縮圧力作用後に抗体を作用させた場合には細胞表面のcKitは染色されるものの、細胞質の凝集したcKitは染色されないことが明らかとなった。これらのことから圧縮圧力はcKitの細胞表面から細胞質への移動と凝集体の形成を促すことで細胞外からのSCFとの結合を阻害しシグナルを抑制していることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
圧力の作用点についてcKitの細胞質への移動と凝集によるリン酸化制御であることを明らかにしたものの、ライブイメージングの構築により卵母細胞の反応をリアルタイムで観察することはできていない。また、生体内において圧力値を測定する為のFC-70やTension Sensorについても構築中である。
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Strategy for Future Research Activity |
卵母細胞が圧力に反応する様をリアルタイムで観察するのみならず生体内の圧力値を測定する為のTension sensorのキャリブレーションにも必要な為、本年度は加圧ライブイメージングの構築を集中的に行う。さらにライブイメージングの活用により圧力により調節されるcKitの局在変化について観察を行う。
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