2023 Fiscal Year Annual Research Report
呼吸器ウイルス感染におけるMAIT細胞の炎症コントロール機能の解析
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22H02542
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
杉本 智恵 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (60469955)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若尾 宏 獨協医科大学, 医学部, 教授 (10280950)
森 一泰 獨協医科大学, 医学部, 非常勤講師 (20270655)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 自然免疫型T細胞 / 感染免疫 / ウイルス感染 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではRSウイルスを用い、我々が構築したMAIT細胞が豊富なMAITマウスとMAIT-iPS細胞由来reMAIT細胞を使用して、ウイルス感染の病態におけるMAIT細胞の役割を解明する。当該年度はRSウイルス感染モデルを確立するため以下の項目の実験を行った。 1. RSウイルスA2株をATCCから入手し、HEp2細胞を用いてマウス接種ウイルスストックの作製を試みた。C57BL/6はRSウイルス感受性が低く、高力価のウイルス接種が必要とされる。継代培養を行なって感染力価を上げることを試みたが、C57BL/6マウス感染に十分な高力価ストックを得ることができなかった。 2. 上述の問題点が明らかとなったことから、接種ウイルスをインフルエンザウイルスPR8に変更し、MDCK細胞を用いて接種ウイルスの作製を終了した。 3. 並行して、C57BL/6よりBALB/cの方がウイルス感染感受性が高いため、BALB/c系のMAIT細胞が多い新たなマウスモデルを作製することを開始した。我々のこれまでの成果から、肺MAIT細胞がiPS細胞作製に適していることが明らかであるので、BALB/cマウスの肺からMAIT細胞を分離することを試みた。しかし、BALB/cではC57BL/6よりMAIT細胞が少ないことがわかり、 MAIT細胞を分離することが困難であった。MAIT細胞の抗原であるビタミンB2合成中間体の誘導体である5-OP-RUとToll様受容体9のリガンドであるCpGをマウスへ経鼻で混合接種することにより、肺内MAIT細胞をin vivoで増殖することに成功した。これによりMAIT細胞を分離し、BALB/c MAIT細胞由来iPS細胞を樹立することができた。このiPS細胞を用いてキメラマウスの作製を試みたが、樹立には至らなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マウス実験に用いるのに十分な高力価のウイルスストックが作製できない。BALB/c MAIT細胞由来iPS細胞由来のキメラマウスが樹立できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
接種ウイルスの種類をインフルエンザウイルスPR8に変更することにより、顕著な感染表現型示す感染モデルを樹立する。
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