2022 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular mechanism of substrate selection and cleavage by intramembrane protease in lipid bilayer
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22H02561
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
禾 晃和 横浜市立大学, 生命医科学研究科, 准教授 (40379102)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 膜内タンパク質切断 / シグナル伝達 / クライオ電子顕微鏡 / X線結晶解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
継続して取り組んできたRsePのX線結晶解析が完了し、大腸菌由来RseP(EcRseP)と海洋性細菌K. koreensis由来のRsePオルソログ(KkRseP)の2つのタンパク質について、いずれも阻害剤Batimastatとの複合体の構造を決定することができた。Batimastatはペプチド様の構造をとる低分子化合物であり、RsePの膜内領域に形成されたβシート(MREβ-sheet)に主鎖を介して相互作用していた。また、MREβ-sheetの反対側からAsn-394が側鎖を介してBatimastatと水素結合し、Batimastatを活性中心近傍に固定していた。Asn-394は、RsePオルソログだけでなく、S2Pファミリー全体でも保存されている残基であり、この残基に変異を導入すると、Batimastatの阻害効果と基質切断活性の両方が低下することが分かった。この変異体解析の結果は、基質タンパク質もBatimastatと同様にMREβ-sheetに結合し、Asn-394によって固定された状態で切断を受けることを強く示唆するものである。また、X線結晶解析の結果、EcRsePでは、4番目の膜貫通ヘリックス(TM4)と膜表在性ヘリックス(PCT-H2)が静電的に相互作用することが明らかになった。そして、この静電的相互作用を破壊するような変異が既知の活性変異と同等の活性の低下を引き起こすことが分かり、TM4やPCT-H2が切断制御において重要な役割を担うことが示唆された。さらに、EcRsePとKkRsePの結晶構造の比較から、これらのタンパク質は基質取り込みの過程で構造変化を起こす可能性が示された。この結果を受けて、構造変化の検証のためにクライオ電子顕微鏡による構造解析に着手することとし、RsePに対して結合する抗体の探索も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
X線結晶解析の進展により、RsePの基質切断メカニズムについての理解が深まるとともに、クライオ電子顕微鏡解析を行う際に必要な抗体の探索も順調に進んだことから。
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Strategy for Future Research Activity |
クライオ電子顕微鏡解析に利用可能な抗体の候補は挙がってきたことから、より高分解能な構造情報を取得するためのグリッド作製条件を検討していく。
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Research Products
(8 results)