2022 Fiscal Year Annual Research Report
コドンの最適度に依存したmRNAの安定性制御機構と転写誘導・抑制の統合的理解
Project/Area Number |
22H02606
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松尾 芳隆 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (00725252)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 翻訳速度 / コドン / mRNA / tRNA / リボソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
mRNAの発現は、特定のmRNA群の転写や分解を制御する機構に加え、コドンの最適度を決定するtRNAの細胞内存在量を中心とした翻訳環境によっ て支配されていることが明らかになってきた。しかし、特定のmRNA群の転写や分解を制御する機構と、その背後にあるコドン最適度によるmRNA の安定性制御機構との関係性・協調性に関する知見はほぼ皆無である。 本研究では、出芽酵母の小胞体ストレスによって誘導される複数のmRNA発現制御機構を題材とし、tRNAの発現調節によるコドン最適度の再編成 とmRNAの転写誘導・抑制が協調的に制御される可能性を、マルチオミックス解析にて検証する。 本研究では、小胞体ストレス応答時の①tRNAの発現変動(tRNA-seq or tRNA-microarray)、②mRNAの合成効率と分解効率の変化(RNA-seq, 4tU-s eq)、③翻訳の変動(Ribo-seq)を網羅的に解析する。これにより、tRNAの発現調節によるコドン最適度の再編成とmRNAの転写誘導・抑制が協調 的に制御される可能性を統合的に検証することを目指している。 本年度は、①tRNAの発現変動(tRNA-seq or tRNA-microarray)、②mRNAの合成効率と分解効率の変化(RNA-seq, 4tU-seq)を調べる実験系の構築を行った。その結果、4thio-Uを用いた新規合成RNAのラベル化条件を決定することに成功した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、小胞体ストレス応答時の①tRNAの発現変動(tRNA-seq or tRNA-microarray)、②mRNAの合成効率と分解効率の変化(RNA-seq, 4tU-s eq)、③翻訳の変動(Ribo-seq)を網羅的に解析する。これにより、tRNAの発現調節によるコドン最適度の再編成とmRNAの転写誘導・抑制が協調的に制御される可能性を統合的に検証することを目指している。 本年度は、①tRNAの発現変動(tRNA-seq or tRNA-microarray)、②mRNAの合成効率と分解効率の変化(RNA-seq, 4tU-seq)を調べる実験系の構築を進めてきた。その結果、4thio-Uを用いた新規合成RNAのラベル化条件を決定することに成功した。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究では、小胞体ストレス応答時の①tRNAの発現変動(tRNA-seq or tRNA-microarray)、②mRNAの合成効率と分解効率の変化(RNA-seq, 4tU-s eq)、③翻訳の変動(Ribo-seq)を網羅的に解析する。これにより、tRNAの発現調節によるコドン最適度の再編成とmRNAの転写誘導・抑制が協調 的に制御される可能性を統合的に検証する。
本年度は、①tRNAの発現変動(tRNA-seq or tRNA-microarray)、②mRNAの合成効率と分解効率の変化(RNA-seq, 4tU-seq)だけでなく、③翻訳の変動(Ribo-seq)を解析する実験条件の確立を進める。 全ての網羅的解析の準備が出来次第、ERストレス化におけるtRNA・mRNA・翻訳の網羅的発現プロファイルの取得を進めていく。
|