2024 Fiscal Year Research-status Report
高密度かつ機能的な定量プロテオミクスによる細胞老化の分子基盤の解明
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23K23870
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| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
松本 雅記 新潟大学, 医歯学系, 教授 (60380531)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2026-03-31
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| Keywords | プロテオミクス / 細胞老化 |
| Outline of Annual Research Achievements |
細胞老化は、細胞分裂の停止に伴う恒久的な増殖停止状態であり、がん細胞の異常増殖を防ぐ「バリア」として機能する一方で、老化細胞が周囲の組織に悪影響を及ぼす要因ともなりうる。しかしながら、細胞老化そのものを誘導・維持するメカニズムについては、未解明な点が多く、その解明は老化細胞の除去や再プログラミング、さらには加齢関連疾患の予防や治療戦略において重要な課題である。 本研究では、これらの課題に取り組むため、タンパク質動態を定量的に計測可能な機能的プロテオーム解析基盤の構築と、それを用いた老化細胞における包括的なプロテオーム状態計測を計画した。 本年度は、これまでに構築したさまざまな機能プロテオーム解析技術を駆使して、異なる老化誘導モデルに対して多面的な老化細胞プロテオーム情報の取得を行なった。これらのデータの詳細な解析の結果、これらの異なる老化モデルに共通して、インターフェロン誘導タンパク質群の発現低下を見出した。この現象は、細胞老化が単なる細胞増殖停止にとどまらず、免疫応答の低下や抗ウイルス防御機構の破綻に関与する可能性を示唆している。そこで、正常細胞および老化細胞においてIFN-γ (インターフェロンガンマ) 刺激応答を調べたところ、老化細胞においても正常なシグナル伝達とそれに伴うIRF1 (Interferon Regulatory Factor 1) のmRNA発現誘導が認められた。そこで正常および老化細胞を対象にIFN-γ刺激下でのプロテオーム解析を行なったところ、IRF1タンパク質レベルの発現が顕著に抑制されていることが明らかになった。さらに、タンパク質分解の抑制はこの老化細胞におけるIRF1の発現低下をキャンセルできず、転写以降のタンパク質合成過程に何かしらの違いがあることが示唆された。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度も当初計画していた全ての実験を滞りなく実施することができ、多数の新たな知見を得ることができた。特に、細胞老化に伴うプロテオームの動態変化に関する多面的な解析により、老化細胞が特異的に示すインターフェロン応答の異常が明らかになった。この発見は、これまで見過ごされがちであった老化細胞の特徴の一つであり、老化の進行過程や老化細胞が周囲の組織に与える影響を理解する上で重要な意義を持つものである。さらに、得られたデータからは、老化細胞におけるシグナル伝達経路の再編成や、代謝状態の変化、免疫応答の調節異常が示唆されており、これらが老化細胞の生存や排除機構にどのように関与しているかを解明するための基盤を整備することに成功した。今後、これらの新規発見に基づき、老化細胞の特徴的なプロテオームプロファイルを分子レベルでさらに詳細に解析し、老化に伴う疾患の予防や治療に向けた新たなアプローチの開発に取り組む予定である。
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| Strategy for Future Research Activity |
今年度も当初計画していた全ての実験を滞りなく実施することができ、多数の新たな知見を得ることができた。特に、細胞老化に伴うプロテオームの動態変化に関する多面的な解析により、老化細胞が特異的に示すインターフェロン応答の異常が明らかになった。この発見は、これまで見過ごされがちであった老化細胞の特徴の一つであり、老化の進行過程や老化細胞が周囲の組織に与える影響を理解する上で重要な意義を持つものである。さらに、得られたデータからは、老化細胞におけるシグナル伝達経路の再編成や、代謝状態の変化、免疫応答の調節異常が示唆されており、これらが老化細胞の生存や排除機構にどのように関与しているかを解明するための基盤を整備することに成功した。
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| Causes of Carryover |
当初計画書に記載していた実験等はすべて完了したが、得られた結果を元に新たな展開も生じ、これを進めることでよりレベルの高いジャーナルへの論文掲載が期待できる。そのため、次年度に幾つかの新たな実験の追加を行うための消耗品や学会発表や関連分野の研究者との打ち合わせのための旅費として使用予定である。また、論文の校正や掲載料にも使用予定である。
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初期発生プロテオームデータ2026
Funder
Title
初期発生プロテオームデータ
Issued Date
2026-04-06
Abstract
質量分析 raw data files
Research Field
ライフサイエンス
Data Type
dataset
Data Utilization and Provision Policy
無償、CC-BY4.0
Access Rights Type
open access
Repository Information
生命科学系公共リポジトリ
URI
Contributor
Contributor Type
Data Manager
Contributor Name
研究企画推進部研究推進課
Contributor Type
Hosting Institution
Contributor Name
国立大学法人新潟大学
Data No.