2022 Fiscal Year Annual Research Report
RNA/RNP-chemogenetics for living cells and animals
Project/Area Number |
22H02608
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉井 達之 京都大学, iPS細胞研究所, 特定拠点助教 (30778048)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 細胞 / RNA / タンパク質 / 化学遺伝学 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、RNA/RNP化学遺伝学を実現のため、低分子化合物に結合するRNAアプタマーの探索を行った。既存のアプタマーの殆どは哺乳類細胞内や動物個体内での動態が良くない低分子リガンドに対し結合するものであった。そのため、まず既に薬剤として生体内動態の良いことが明らかとなっているものに対して結合するRNAをin vitroでセレクションすることとした。10兆種類のRNA配列を含むライブラリを用いたSELEX (Systematic Evolution of Ligands by Exponential Enrichment) を行った。濃縮された配列に対し、次世代シーケンスにより解析を行い、候補配列を絞り込んだ。その配列に対し、試験管内での結合解析を行った。その結果、低分子化合物に結合するRNA配列を発見した。 また、低分子化合物に結合したときにRNAへの親和性が向上するタンパク質の探索についても検討した。これには、タンパク質エンジニアリングとRNAエンジニアリングの両方からアプローチした。まずは、タンパク質とリガンドのペアが結合した時にのみ結合するような配列をSELEXにより選別した。得られた配列に対して試験管内で結合を評価した結果、低分子リガンドの添加時に標的タンパク質への親和性が向上することが明らかとなった。また、RNA結合タンパク質と低分子リガンドに結合するタンパク質を融合したライブラリを作製し、その中から、小分子リガンド結合状態でのみRNAに結合するタンパク質を探索した。得られた配列に対して試験管内で結合を評価した結果、低分子化合物存在下で標的タンパク質への親和性が向上することが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
低分子化合物に結合するRNAアプタマーについて、リードとなる配列が得られた。また、低分子化合物存在下で親和性が向上するタンパク質についても、リードとなる配列が得られた。したがって、引き続き研究をすすめるに当たり、順調であると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、得られたRNA、タンパク質に対して細胞内での評価をイメージングやレポーターアッセイにより行う。これらの結果をもとに、再度の分子進化などを行い、細胞内で利用できるRNA/RNP科学遺伝学の確立を目指す。
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