2023 Fiscal Year Annual Research Report
Understanding the role of intracellular cholesterol transport in cell physiology
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22H02620
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
佐伯 恭範 熊本大学, 生命資源研究・支援センター, 客員教授 (30794458)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | コレステロール / 膜接着部位 / 脂質輸送タンパク質 / 神経細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は、引き続き、細胞内コレステロール輸送機構に注目し研究を行った。大きな成果として、スピニング共焦点顕微鏡および全反射顕微鏡と生化学的手法を用いることによって、進化学的に保存されたコレステロール輸送タンパク質であるGRAMD1が、小胞体-ゴルジ接着部位において他の脂質輸送タンパク質であるOSBPならびにORP9と協調することで、細胞内のコレステロール分布を調整することを突き止め、論文として発表した(Naito et al., Nature Communications, 2023)。GRAMD1とORP9を同時に欠損させたノックアウト細胞においては、ゴルジ体および細胞膜にコレステロールが蓄積し、細胞内コレステロール産生機構の調節に異常が生じることを示した。また、GRAMD1のコレステロール感知領域であるGRAMドメインに注目し、適度なアミノ酸変異を加えることにより、新規コレステロール感知プローブであるGRAM-Wを開発し論文として発表した(Koh et al., Nature Communications, 2023)。さらに、GRAM-WをヒトiPS細胞から分化誘導した神経細胞に発現させることによって、ヒト神経細胞内においてコレステロール分布の可視化に成功した。引き続きコレステロール輸送タンパク質の一群を欠損させたノックアウトマウスと線虫の表現系解析を行い、細胞内コレステロール輸送機構の生理的役割に関して新しい知見を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和5年度の主な目標として、細胞内コレステロール輸送機構に関しての研究を推し進めていくことを挙げていた。細胞内のコレステロール分布を調整する仕組みに関して新しい知見を得ることができ、また新規コレステロール感知プローブの開発に成功し、おおむね目標を達成出来たと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は、引き続き、顕微鏡および生化学的手法を駆使し、ノックアウトマウスとノックアウト線虫の解析をさらに推し進めていきたいと思っている。また、引き続き熊本大学・生命資源研究・支援センターの先生方との共同研究を積極的に行い、令和6年度以降にもつながる研究を行なっていきたいと考えている。
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