2022 Fiscal Year Annual Research Report
Diverse origins and roles of osteoclasts in bone homeostasis and disease
Project/Area Number |
22H02630
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
箭原 康人 大阪大学, 大学院生命機能研究科, 准教授 (60456390)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 崇 富山大学, 学術研究部医学系, 教授 (40610374)
夜久 圭介 富山大学, 学術研究部医学系, 助教 (70761865)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 破骨細胞 / 胎児造血 / 卵黄嚢 / 細胞融合 |
Outline of Annual Research Achievements |
破骨細胞は、単球系細胞が融合することによって誕生する多核細胞である。これまでの研究成果から、破骨細胞には骨髄Hematopoietic Stem Cells (HSC)と胎児卵黄嚢に発生するErythromyeloid progenitors (EMP)を起源とする二種類の細胞集団が存在し、両者は互いに細胞融合を繰り返しながら、骨リモデリングを駆動することが明らかとなった。本研究では、①HSCおよびEMP由来破骨細胞の未知の機能を解明すること、②両者が融合する意義や秩序を解明すること、③多核破骨細胞における一細胞内転写制御機構を解明することを目的とした。 EMPおよびHSC由来破骨細胞の機能的な違いを解明するため、発生過程における破骨細胞の遊走に注目して研究を開始した。マウスを用いた細胞系譜実験と軟骨原基の腎被膜下移植実験によって、骨発生初期に遊走する原始破骨細胞がEMPに由来することを示した。EMP由来の破骨前駆細胞が、軟骨原基中心部の軟骨膜上に遊走したのち、細胞融合によって多核破骨細胞を形成することが判明した。さらにEMPとHSCに由来する細胞を異なる蛍光蛋白で標識するため、新たなマウスラインの樹立を行った。本マウスラインと生体ライブイメージング技術を用いることで、EMPとHSC由来破骨細胞の分布や融合が発生過程、病態の発生によってどのように変化するのかを解析する。さらにEMP由来破骨細胞に特異的に発現する遺伝子のプロモーター領域にジフテリアトキシン受容体遺伝子を組み込んだトランスジェニックマウスを入手し、胎児においてEMP由来細胞を除去する実験を行った。胎児体細胞から効率的にEMP由来破骨細胞を除去することにより、EMP由来細胞の除去が骨発生および生後の骨に及ぼす影響の検証を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
EMPとHSCに由来する破骨細胞を異なる蛍光蛋白で標識するため、新たなマウスラインの樹立に成功した。おおむね計画通りに研究が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はEMPおよびHSCの機能解析に重点を置き、その基盤技術の確立に注力する。生体ライブイメージング技術、空間トランスクリプトーム技術を本課題の基軸に据えて、細胞同士の融合秩序や一細胞内の転写制御機構の解明に挑戦していく。
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