2022 Fiscal Year Annual Research Report
ペプチドの「多標的性」によるシグナリングの多様性の解明
Project/Area Number |
22H02658
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Suntory Foundation for Life Sciences |
Principal Investigator |
佐竹 炎 公益財団法人サントリー生命科学財団, 生物有機科学研究所・統合生体分子機能研究部, 主幹研究員 (20280688)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀江 健生 大阪大学, 大学院生命機能研究科, 教授 (10455925)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ペプチド / GPCR / カタユウレイボヤ / 多標的性 / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、ペプチドとGPCRの相互作用は、従来のような「1対1、もしくはファミリー間」だけではなく、分子進化的に無関係なGPCRとも相互作用し、シグナリング細胞内を制御していること、言い換えれば、ペプチドの「多標的性」をシグナリングをペプチドの「多標的性」を証明することを目的としている。このように本来のリガンドと全く異なるペプチドと相互作用するGPCRをpeptide-multitargeted GPCR (Pep-mtg-GPCR)と名付け、ペプチドーPep-mtg-GPCR相互作用を機械学習で予測し、その予測結果を実験的に検証するものである。本年度は、計画通り、① 当研究グループが独自で開発した、ペプチド―GPCR相互作用予測機械学習システムであるPD-incorporated SVMを活用したペプチドとGPCRの相互作用予測、②予測されたペプチド―GPCR相互作用の細胞シグナリング実験による検証、を実施した。その結果、PD-incorporated SVMを用いて、ヒト、マウス、ホヤの全既知ペプチドとGPCRを対象に相互作用を解析したところ、15種のペプチド-Pep-mtg-GPCRが予測された。さらに、そのうちの1種を培養細胞に発現させて実際に当該ペプチドを投与したところ、生理学的濃度のペプチドでシグナリング活性が検出された。以上の結果から、研究計画設定時に想定したPep-mtg-GPCR相互作用は確かに存在することが明らかになった。さらに、ヒトやマウスで、これまでリガンドがわかっていなかったオーファンGPCRと既知ペプチドとの相互作用も複数予測されているので、これらについても実験的検証をしていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書に記載したとおりに実験を遂行し、有用な結果を得たため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度では、本年度に予測された残りのPep-mtg-GPCRの実験的検証を行う。また、検証されたPep-mtg-GPCRとペプチドの組織内における局在も検討する。
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