2022 Fiscal Year Annual Research Report
Diversity of molecular mechanisms of circadian clocks in green plants.
Project/Area Number |
22H02668
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
松尾 拓哉 北里大学, 理学部, 教授 (00452201)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 摂之 名古屋大学, 情報学研究科, 准教授 (30283469)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 概日時計 / 緑藻 / 陸上植物 |
Outline of Annual Research Achievements |
概日時計はほぼ全ての生物が持つ計時機構である。概日時計の性質は全ての生物で共通であるが、それを構成する遺伝子は異なっており、進化的な背景はあまりよく解っていない。緑色植物の概日時計の研究は、被子植物のシロイヌナズナを中心に進んできた。一方、その他の緑色植物では、あまり理解が進んでいないのが現状である。そのような研究動向の中で、我々は緑藻クラミドモナスの研究を進め、緑色植物の概日時計の多様性を示唆する知見を得てきた。本研究では、クラミドモナスの研究をさらに推進して緑藻の概日時計の理解を深めるとともに、緑藻より後に被子植物へと至る系統から分岐した蘚類の一種であるヒメツリガネゴケにおいても研究を進める。クラミドモナス・ヒメツリガネゴケ・シロイヌナズナの比較から、緑色植物の概日時計分子メカニズムの多様性を理解し、その進化の過程を考察することが目的である。 今年度は、緑藻の夜の時計遺伝子群(ROC15, ROC40, ROC66)の解析、緑藻特異的時計遺伝子ROC55の解析、ヒメツリガネゴケのLUXホモログの解析を計画通り進めた。その中で、ROC15のコードするタンパク質の光誘導性分解に異常を来した変異体の原因遺伝子を突き止めた。その遺伝子はクラミドモナスでは未解析の遺伝子であった。上流ORFを持ち、それはシロイヌナズナのELF4と相同なタンパク質をコードすることを明らかにした。遺伝子相補実験により、変異表現型の原因は、メインORFではなくその上流ORFであることを突き止めた。これらの結果は、陸上植物と緑藻では時計遺伝子の構造や働きが異なることを示している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調に進展している。さらに、緑藻のELF4に関する予想外の知見も得られており、今後、研究が当初の計画を超えて大きく進展する可能性も見えてきた。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画に沿って進める。一方、緑藻のELF4に関する予想外の知見も得られており、今後、研究が当初の計画を超えて大きく進展する可能性も見えてきた。今後は、ヒメツリガネゴケのELF4も含めた比較を展開していく予定である。
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Remarks |
https://www.kitasato-u.ac.jp/sci/research/faculty/?c=laboratory_topics&lab_pk=1694482655
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