2022 Fiscal Year Annual Research Report
Function of taste receptors in the intestines of primates
Project/Area Number |
22H02674
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
今井 啓雄 京都大学, ヒト行動進化研究センター, 教授 (60314176)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩槻 健 東京農業大学, 応用生物科学部, 教授 (50332375)
阪上 優 京都大学, 環境安全保健機構, 教授 (50437290)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 味覚 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では対象として腸管に発現する(A) tuft細胞、(B)内分泌細胞における味覚受容体や共役するG蛋白質(GNAT3)の発現と、そのリガンド、機能を解析した。 (A)Tuft細胞:マウスでわかってきたtuft細胞の味覚受容体機能、特にIL-25分泌についてはヒトを含む霊長類では確認ができていない。マウスで示唆されているロイコトリエン類等のIL-25以外の分泌分子も含め、「霊長類のtuft細胞の機能」についてリガンド-受容体-機能分子の同定を、まずはin vitroで行い、最終的に生体内での機能解明を行う。この目的のために、初年度は腸管オルガノイドにおいてtuft細胞をゲノム編集により標識することを試みた。具体的には、小腸tuft細胞のマーカーであるTRPM5等の遺伝子座に蛍光蛋白質を導入することに成功した。 (B)内分泌細胞:内分泌細胞は分泌されるホルモンによってL細胞やI細胞、EC細胞(セロトニンを分泌)等10種類程度に分類されるが、そのリガンドや機能発現機構はL細胞など一部の細胞でしか示されていない。EC細胞はGNAT3抗体陽性細胞のうち半数以上を占め、生体内のセロトニン分泌の大多数を占めるため、近年急速に解析が進んだ細胞である。しかし、受容体として嗅覚受容体や機械感覚受容体の寄与は解明されているものの、味覚受容体については皆無である。そこで、初年度はEC細胞を対象に、味覚受容体に結合するリガンドの同定を試みた。TAS2R14はEC細胞に発現しているが、カフェイン等のいくつかの苦味物質に対する応答性があることを同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Tuft細胞については、ラベルを導入する所までは実現したが、蛍光が予想以上に弱く、FACS等に用いるには工夫が必要であることが分かったため、現在、ベクターの改良中である。
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Strategy for Future Research Activity |
サルの腸管における味覚受容体発現細胞について、それぞれの細胞を強い蛍光でラベルするためのベクターを改良し、また、それらを効率的に分化誘導するためのオルガノイド系を改良する予定である。
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