2023 Fiscal Year Annual Research Report
新規シナプティックオプトジェネティクスによる記憶保存様式の解明
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22H02724
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
村越 秀治 生理学研究所, 脳機能計測・支援センター, 准教授 (90608142)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 光応答性分子 / 2光子蛍光顕微鏡 / シナプス |
Outline of Annual Research Achievements |
シナプス可塑性において、細胞内シグナル分子であるリン酸化キナーゼは極めて重要であると考えられている。特に、大脳皮質や海馬の興奮性神経細胞において、グルタミン酸入力によるスパインの体積変化とAMPA受容体のリクルートにキナーゼは必須である。キナーゼとしては、細胞内シグナル分子であるCaMKIIがシナプス可塑性に必須であると考えられている。研究代表者はこれまでに、CaMKIIの活性化機構を高速原子間力顕微鏡で詳細に明らかにした(Tsujioka et al. Science Advances 2023)。加えて、シナプスにおいて光照射依存的にシナプスの可塑的変化を惹起することが可能な光応答性リン酸化キナーゼの開発に成功した(Shibata et al. Nature communications 2021, Ueda et al. Cell Reports 2022)。具体的には、植物の光受容タンパク質キナーゼであるPhototropin1のLOV2ドメインを用いて、遺伝子コードされた光応答性CaMKII開発に成功し、海馬スライスの神経細胞において、光照射によりスパイン体積の増大を惹起することに成功した。また、現在までに、光応答性CaMKIIの小型化に成功し、活性化スパインへの特異的な局在化を進めるための基盤ができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
光応答性分子のシナプスへの局在化についても様々なコンストラクトを試している。最近の大きな進展としては、光応答性CaMKIIの小型化と暗状態でのリーク活性を抑えた変異体の作製に成功したことである。また、この分子をコードするアデノ随伴ウイルスの作製にも成功しており、海馬スライスで光照射によりスパインの体積変化を惹起することに成功している。現在、この分子を活性化シナプスに局在化するための分子構築を進めており、研究は極めて順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
申請者は昨年度までに、シナプスにおいて光照射依存的にシナプスの可塑的変化を惹起することが可能な光応答性CaMKIIの開発を進めて来た。また、この分子を用いて、海馬スライス神経細胞において光照射によりスパイン体積の増大を惹起することに成功している。また、昨年度までに光応答性CaMKII小型化と暗状態でのリーク活性を抑えた変異体の作製に成功している。今年度も引き続き、光応答性CaMKIIに各種様々な遺伝子改変を行い、可塑的変化が起こったスパイン特異的に光応答性CaMKIIを局在化させることを試みる。
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[Journal Article] Imaging single CaMKII holoenzymes at work by high-speed atomic force microscopy.2023
Author(s)
Tsujioka S, Sumino A, Nagasawa Y, Sumikama T, Flechsig H, Puppulin L, Tomita T, Baba Y, Kakuta T, Ogoshi T, Umeda K, Kodera N, Murakoshi H, Shibata M.
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Journal Title
Science Advances
Volume: 9(26)
Pages: eadh1069
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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