2022 Fiscal Year Annual Research Report
Deciphering and modifying the molecular meridians of antibodies to enhance the functionality of therapeutic antibodies
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22H02755
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
谷中 冴子 九州大学, 薬学研究院, 講師 (80722777)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 抗体 / 分子動力学計算 / NMR / 分子経絡 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、種々の異なるグライコフォームのFcフラグメントについて取得した動的構造アンサンブルを対象に分子内に張り巡らされたネットワークの解析を実施した。ここで用いた動的構造アンサンブルは量子ビーム溶液散乱法などによる実験データによる検証評価に基づいてプロトコルを最適化したMDシミュレーションによって得られたものである。分子内ネットワークを抽出するために、動的構造アンサンブルに対して情報科学的・統計学的解析を応用し、種々の原子間の距離の情報を25,600個のFcのコンフォマー間で比較し、原子間距離の相関関係を明らかにした。特に、Fcを修飾するN型糖鎖の脱ガラクトシル化に伴う分子内ネットワークの変化に着目した解析を行った。その結果、糖鎖とポリペプチド鎖の間の相互作用が断ち切られることで、それがエフェクター分子との相互作用部位を含む分子の4次構造変化へと展開する仕組みを、Fcに張り巡らされた分子ネットワークの変化として捉えることができた。 こうした成果を踏まえて、IgG全長の動的構造解析を行う基盤整備に着手した。IgGはFcの約3倍の分子量を持つことに鑑みて、まずは粗視化シミュレーションを導入することで効率よくコンフォメーション空間を探査することを検討した。その際、糖鎖を含めた粗視化シミュレーションのプロトコルの確立が必要不可欠であることから、まずはFcをモデル系としてこの問題に取り組んだ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
記のように、当初計画した研究が遅滞なく進展しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
Fcを対象に構築した粗視化シミュレーションのプロトコルを抗体全長に適用し、そのコンフォメーション空間を探査する。粗視化分子動力学シミュレーションで得られた構造アンサンブルを検証するために、X線小角散乱法などの実験的手法を用いて溶液中における全長分子の構造を評価する。実験データとシミュレーションを比較することで粗視化シミュレーションのプロトコルを最適化する。一方、Fcを対象として確立した分子内ネットワーク解析手法をIgG全長へと拡張するために、NMRなどを用いた実験データを収集するとともに、粗視化シミュレーションを全原子シミュレーションへと橋渡しする方策を検討する。
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Research Products
(6 results)