2023 Fiscal Year Annual Research Report
Cancer pathophysiology and treatment from the perspective of dual-mode control of EGFR
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22H02763
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
櫻井 宏明 富山大学, 学術研究部薬学・和漢系, 教授 (00345571)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
周 越 富山大学, 学術研究部薬学・和漢系, 助教 (10733339)
林 龍二 富山大学, 学術研究部医学系, 教授 (60345585)
横山 悟 富山大学, 学術研究部薬学・和漢系, 准教授 (90613498)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | EGFR / がん / リン酸化 / エンドサイトーシス |
Outline of Annual Research Achievements |
EGFRには7つの異なったリガンドが知られており、そのうち4つは高親和性、残り3つが低親和性である。これらリガンドによるEGFR活性化については、いくつかの違いが報告されているが、デュアルモード制御機構に対する効果については不明であった。そこで、各リガンドの濃度を変化させ、EGFRの定型的リン酸化としてチロシン自己リン酸化を、また非定型的リン酸化としてセリンリン酸化を検出した。その結果、定型的リン酸化に対しては、既報のとおり高親和性リガンドの方が低濃度からリン酸化を誘導した。非定型的リガンドでも同じように高親和性リガンドの方が低濃度で誘導したが、定型的リン酸化と比べると10~100倍程度低濃度でリン酸化が誘導された。したがって、これまで高親和性リガンドであるEGFで得られていた結果と同様に、すべてのリガンドで非定型的リン酸化の方が、低濃度で誘導されることが分かった。現在、このような解析結果を数理モデル構築することを目指して共同研究を実施している。 細胞内キナーゼドメインに活性化変異のある非小細胞肺がん細胞を用いて、変異型EGFRにおいてもデュアルモード制御が観察できるのかの検討を開始した。これら細胞株を用いて非定型的エンドサイトーシスについて検討を行うことにしている。 神経膠芽腫細胞では、EGFR細胞外ドメインに変異があることがわかっており、デュアルモード制御の観点からその機能について解析を行うため、新たに野生型および変異型EGFR発現ベクターを構築し、現在神経膠芽腫細胞株U87MGを用いて安定発現系を構築している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の主題であるデュアルモード制御の分子機構を解析するための材料や方法を整備できつつあることから、今後の展開を見通せるようになった。また、数理モデルの確立見向けた共同研究も実施に移しており、新たな展開が始まった。
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Strategy for Future Research Activity |
7つのリガンドを用いた検討により、デュアルモード制御を一般化できるかどうかを数理モデルという新たな方法論の導入して実証していきたい。また、ヒトのがん細胞で見つかっている各種の変異体に対しても、デュアルモード制御が適用可能かを検討する。さらに、エンドサイトーシス機構についても、引き続き解析を進めることにしている。
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