2023 Fiscal Year Annual Research Report
中枢時計が多くの構成細胞を統合して概日リズムを発振・発信するメカニズムの解析
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22H02802
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
三枝 理博 金沢大学, 医学系, 教授 (20296552)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 概日リズム / 視交叉上核 / 体内時計 / 睡眠 / 遺伝子改変マウス |
Outline of Annual Research Achievements |
中枢概日時計・視交叉上核(SCN)神経ネットワークの動作原理は不明な点が多い。応募者らはこれまで、バソプレシン産生ニューロンの重要性を明らかにしてきた。本研究ではこれまでの研究で得たモデルマウスに、様々な生体内神経活動計測・操作法を適用することにより、中枢時計神経ネットワークが構成細胞を統合し概日リズムを発振・発信するメカニズムの理解を目指す。 本年度は、概日リズム周期が延長するAVPニューロン特異的CK1δ欠損マウスを用いた詳細な解析を完了し、SCN AVPニューロンがSCNの主要なペースセッター細胞として機能するとの結論を、PLOS Biology誌に論文発表した。また、AVPニューロン特異的Vgat欠損マウスから明らかになってきた、AVPニューロンによるGABAを介したVIPニューロンの制御について、詳細な解析を行なった。その結果、VIPニューロン特異的にGABA-A受容体をノックアウトすると、概日行動リズムが減衰すること、GABAによるVIPニューロン抑制をAVPニューロンから放出されるGABAが脱抑制すること、などを示すデータが得られた。また、AVPニューロン特異的Nalcn欠損マウスの概日行動リズムを解析し、概日周期が長くなること、光応答性に大きな異常が見られること、NalcnチャネルはAVPニューロンの膜電位概日リズムを制御していること、などが明らかになった。さらに、概日リズムが異常になるVIP欠損マウスにおけるAVP、VIP両ニューロンのCaリズムをin vivo計測し、この二つのニューロン間のフィードバック神経回路が、SCN中枢時計の中心的なメカニズムであることを示唆するデータを得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
AVPニューロン特異的CK1δ欠損マウスの解析が一通り終了し、SCN AVPニューロンがSCNの主要なペースセッター細胞として機能するとの結論を論文発表できた。他のモデルマウスの解析についても、計画に沿って解析を遂行しており、着実に新たな興味深いデータが得られつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
AVPニューロンによるGABAを介したVIPニューロンの制御について、ファイバーフォトメトリーや光遺伝学を用いた詳細な解析を行い、論文投稿を目指す。また、AVPニューロン特異的Nalcn欠損マウスについても同様に、光同調におけるAVPニューロンの応答性・安定性とNalcnチャネルとの関係を明らかにし、論文投稿を目指す。さらに、AVP、VIP両ニューロン間のフィードバック神経回路の機能を明らかにし、論文投稿を目指す。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] In vivo recording of suprachiasmatic nucleus dynamics reveals a dominant role of arginine vasopressin neurons in circadian pacesetting.2023
Author(s)
Tsuno Y, Peng Y, Horike SI, Wang M, Matsui A, Yamagata K, Sugiyama M, Nakamura TJ, Daikoku T, Maejima T, Mieda M.
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Journal Title
PLoS Biol
Volume: 21
Pages: e3002281
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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