2022 Fiscal Year Annual Research Report
早期血管老化部位の網羅的全身探索と医学的介入効果の検証
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22H02824
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
洲崎 悦生 順天堂大学, 大学院医学研究科, 教授 (10444803)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 香 順天堂大学, 医学部, 准教授 (90631929)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 血管老化 / 組織透明化 / 3次元イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、代表者ら独自の網羅的組織解析技術によってのみ達成される臓器内全血管ラベリングと早期血管老化部位の探索手法の開発を技術開 発目的とする。また、本技術を用いた早期血管老化部位とその1次要因シグナル経路の同定、早期血管老化に対する治療介入点候補の探索、治療介入の有効性検証を研究目的とする。2022年度は、主に開発中の次世代3次元染色試薬CUBIC-HV2.0を用いて、臓器内3次元可視化をがん組織を含む複数の組織・臓器において検証した。また、機械学習によるclassificationを含む先進的な画像解析技術によって、臓器内全血管の3次元定量解析のワークフロー構築を進めた。血管老化部位の検出について、当初汎用されている老化細胞マーカーであるSA-b-gal活性を指標に、全身還流と透明化で検出可能かどうかを検証した。しかし、少なくとも組織内においては非特異的なb-gal活性が多く見られ、本法では組織内の特異的な早期老化部位を検出することは難しいとの結論に至った。このため、数十種類の遺伝子発現を3次元的にin situ hybridizationで検出するための新規技術の導入と適用を目指した計画に修正した。多数の組織サンプルの3次元観察を容易にするため、より簡易なハンドリングが可能な小型ライトシート顕微鏡を新規に開発し適用を開始した。培養細胞系によるin vitro細胞老化アッセイは立ち上げを完了し、エトポシド等の細胞老化誘導因子によるpositive control実験に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね計画書に沿った内容で研究を実施し、想定通りの結果が得られている他、一部については評価完了後に研究計画を修正するなど適宜対応を行っているため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に従い、昨年度までの検討で、とくに組織中の老化細胞を特異的に標識する技術の欠損が明らかとなり、本点を解決しなければ組織中の早期老化部位同定やシグナル解析が困難であるとの結論を得た。そこで本年度は、近年報告された組織透明化技術とマルチプレックス3次元in situ hybridization 技術を組み合わせた多遺伝子3次元検出系を導入し、老化細胞を定義する数十種類の遺伝子発現の3次元組織内同定技術の開発をすすめる。また 、ライトシート顕微鏡にスペクトラムイメージングカメラを導入した光学機器を新規開発し、3次元免疫染色の超多色化のための技術開発も行う。研究支援に申請し1歳半から2歳齢の老齢マウスやアルツハイマーモデル・タウロパチーモデルマウスを導入できる体制を整え、老化マウスにおける全血管ラベリングや老化に関連する炎症性細胞のラベリングを実施しPOCを取得する。
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