2022 Fiscal Year Annual Research Report
Understanding of molecular mechanisms underlying human genetic disease using goldfish mutants
Project/Area Number |
22H02825
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagahama Institute of Bio-Science and Technology |
Principal Investigator |
大森 義裕 長浜バイオ大学, バイオサイエンス学部, 教授 (90469651)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | シングルセルRNA-seq解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、研究実施計画の中でも特に②キンギョ変異体の眼球組織を用いてシングルセル遺伝子発現解析(scRNAseq)やシングルセルエピジェネティック解析(scATACseq)などのシングルセルレベルのゲノム機能解析を行うことで網膜関連疾患の発症機構の解明に対して重点的な研究を実施した。キンギョの網膜に対しプロテアーゼ処理を行いインタクトな状態でシングルセルとして分散するための条件を特定し、シングルセルRNA-seq 解析やシングルセルATAC-Seq解析を行った。この解析には10x Genomics Chromium の1 細胞解析の系を用いた。さらに、オープンクロマチン領域の解析が可能なシングルセルATAC-SEQ解析を行った。近年に全ゲノム重複した脊椎動物では世界で初めてシングルセルレベルで重複遺伝子の発現進化の解析に成功した。キンギョの網膜において、全ゲノム重複後の1400万年という比較的短い時間に306ペアの遺伝子対が新たな発現パターンを獲得したことが明らかになった。さらに、シングルセルレベルで全ゲノム重複後に重複した遺伝子対の非対称サブゲノム進化が進行していることが証明された。これらの発見は、現在も謎の多い全ゲノム重複という現象の全体像の解明に向けた重要な一歩となる。また、キンギョをモデルとしたヒトの網膜関連疾患の研究に繋がると期待される。これらの研究内容は、査読付き英文科学雑誌へ投稿し掲載された。学会での発表、プレスリリース、週刊誌や新聞などへの掲載を通じて広く情報発信を行った。また、その他にもキンギョ品種の雑種交配とGWAS解析に関する研究をすすめ、一般にむけた著書(単著)を出版し情報発信を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
キンギョ変異体の眼球組織を用いたシングルセル遺伝子発現解析(scRNAseq)やシングルセルエピジェネティック解析(scATACseq)については、これまでに、キンギョの網膜に対しプロテアーゼ処理を行いインタクトな状態でシングルセルとして分散するための条件を特定し、シングルセルRNA-seq 解析やシングルセルATAC-Seq解析を行った。この解析には10x Genomics Chromium の1 細胞解析の系を用いた。さらに、オープンクロマチン領域の解析が可能なシングルセルATAC-SEQ解析を行った。近年に全ゲノム重複した脊椎動物では世界で初めてシングルセルレベルで重複遺伝子の発現進化の解析に成功した。キンギョの網膜において、全ゲノム重複後の1400万年という比較的短い時間に306ペアの遺伝子対が新たな発現パターンを獲得したことが明らかになった。さらに、シングルセルレベルで全ゲノム重複後に重複した遺伝子対の非対称サブゲノム進化が進行していることが証明された。これらの発見は、現在も謎の多い全ゲノム重複という現象の全体像の解明に向けた重要な一歩となる。また、キンギョをモデルとしたヒトの網膜関連疾患の研究に繋がると期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
大規模キンギョ品種GWAS解析による新たな疾患関連遺伝子の同定としては、以前に行った品種解析の規模では、変異体の原因を同定することが困難だった表現型に関してより大規模な解析を行うことで原因遺伝子の同定を試みている。変異をもつキンギョ品種と、野生型の表現型を持つ品種の雑種交配を行い、そのF2世代の作製を順次すすめていく。F2世代のキンギョ雑種系統の作製に成功した家系に関しては、個体の写真撮影など表現型の解析をすすめている。一方で、これらの個体群の高品質なゲノムDNAを精製し、次世代シーケンサーを用いたRAD-seq解析を行っている。RAD-seq解析が進んだ品種に関しては、ハイスペックコンピューターを用いてplinkプログラムを用いたGWAS解析を行っている。必要に応じて全ゲノムリシーケンスを行う予定である。キンギョの全ゲノムは1.7Gbpであり1個体あたり10x程度のカバレージでショートリードの次世代シーケンサーIllumina Novaseqなどで150bpペアエンドシーケンスを行う予定である。これらの解析により表現型とリンクする遺伝子座の特定をすすめていく予定である。得られたリードに関して、リファレンスゲノム配列に照らし合わせ変異を同定することを目指す。
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Research Products
(14 results)