2022 Fiscal Year Annual Research Report
Comprehensive single cell analyses to identify novel oncogenes and oncogenic pathways derived from Epstein-Barr virus
Project/Area Number |
22H02878
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
奥野 友介 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (00725533)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 好隆 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (40754940)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | Epstein-Barrウイルス / シングルセル解析 / CRISPR/Cas / がん遺伝子 / がん化機構 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、Epstein-Barrウイルス(EBV)の再活性化が感染細胞をがん化させる機構の解明である。まず[1]再活性化時に発現する約90のEBV遺伝子の中で、がん化に関与する遺伝子を決定し、次に、[2]それらの遺伝子によって、感染細胞ががん化する機序を特定する。 [1]ウイルス遺伝子のいずれが感染細胞のがん化に関与するかを解析する。遺伝子発現を活性化させるCRISPR/Casシステムを用いたウイルス遺伝子発現ライブラリーとシングルセル遺伝子発現分析を統合して、1つの実験系の中ですべてのEBV遺伝子をアッセイする。 [2]特定されたウイルス遺伝子のそれぞれについて、多層的遺伝子解析を行う。ウイルス遺伝子が感染細胞に与える効果の類似性に基づいて、遺伝子を分類する。遺伝子の機能が知られていれば、それに応じたアッセイを追加する。ここまでの結果に基づいて機序を考察し、その解明を進める。 2022年度においては、すべてのEBV遺伝子の発現を活性化させるライブラリーを構築し、シングルセル解析を実施した。しかしながら、ヒト遺伝子を対象として実施した遺伝子発現活性化実験では十分な遺伝子発現上昇が得られていたにも関わらず、EBV遺伝子においては2倍未満の遺伝子発現上昇しか得られなかった。トラブルシュート行った結果、原因として、(1)EBVゲノムは非常に高度にDNAメチル化されており、遺伝子発現活性化が困難であることと、(2)EBV感染細胞は通常、細胞あたり30コピー以上のウイルスゲノムを有しており、発現活性化に必要なアクセサリー蛋白が分散してしまうこと、の2点が判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予期しなかった原因として、(1)EBVゲノムは非常に高度にDNAメチル化されており、遺伝子発現活性化が困難であることと、(2)EBV感染細胞は通常、細胞あたり30コピー以上のウイルスゲノムを有しており、発現活性化に必要なアクセサリー蛋白が分散してしまうこと、の2点により、CRISPR/Casシステムを用いた遺伝子発現活性化が技術的に困難であったため。
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Strategy for Future Research Activity |
[1] CRISPR/Casを用いて、高度にDNAメチル化された遺伝子を発現活性化できる技術を探索あるいは開発する。[2] 保持するEBVゲノムのコピー数が少ない細胞株を探索・選定する。以上が困難な場合には、[3] CRISPR/Casではない別のシステムで、当初の目的を達成できる方法を探索する。
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