2023 Fiscal Year Annual Research Report
Why genotype C HBV causes liver cancer more rapidly than other genotypes?
Project/Area Number |
22H02880
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Foundation for Biomedical Research and Innovation at Kobe |
Principal Investigator |
村松 正道 公益財団法人神戸医療産業都市推進機構, その他部局等, 研究員(副センター長・部長クラス) (20359813)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 孝宣 国立感染症研究所, ウイルス第二部, 室長 (20333370)
五十川 正記 国立感染症研究所, 治療薬・ワクチン開発研究センター, 室長 (50723201)
塩田 智之 公益財団法人神戸医療産業都市推進機構, その他部局等, 研究員(上席・主任研究員クラス) (80616144)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | Hepatitis B virus / HCC / chronic infection |
Outline of Annual Research Achievements |
我が国においては, 急性B型肝炎を起こすHBVウイルスは、主に3遺伝子型A, B, C型があることが知られている。このうちC型(GT-C)が,肝細胞がん発生頻度が最も高いことが疫学調査で明らかとなっている。 本研究では、GT-CがGT-AやBより、効率よく肝細胞がんを発生させる要因は、GT-Cのウイルス配列にあると考え、その配列を同定する研究を行っている。配列が同定できれば、その情報は新規診断方法、予後予想マーカー、発がん予防法の開発の基盤情報になるからである。 2023年度は、これまで作成したGT-A, B, C型のウイルスゲノム1.3倍長のプラスミドを、遺伝子導入しその表現形を見るアプローチで研究が進んだ。実際の肝発がんはマウスで評価するため、培養細胞評価系もマウス肝細胞株を主な評価系として使用している。種々の発がん表現形を測定することが可能となり、特に96穴で細胞増殖の違いを定量的に安定して検出できるようになった。一方、マウスの系では、HBVウイルスゲノム1.3倍長のプラスミドをハイドロダイナミックス法で遺伝子導入し、腫瘍の発生を評価する系をセットアップしている。CRIPR技術を併用することにより腫瘍の発生を早期に観察できることを確認している。HBVウイルスゲノム依存性に腫瘍の発生を観察できる様になった。今後この系を用いてGT-Cがより効率に肝細胞がんを発生させるか明らかにしたい。 論文成果としては、ウイルス発がんの一つの分子イベントであるウイルスゲノム挿入の評価方法に関わる論文が受理・公開された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
なぜ、GT-CがGT-AやBより発癌しやすいのかについて、その分子機序をウイルス側の要因から探索すべく研究を進めている。2023年度は、これまで作成したGT-A, B, C型のウイルスゲノム1.3倍長のプラスミドを使い、培養細胞系やマウスモデル系に遺伝子導入し、その表現型を比較検討した。この中である遺伝子型を持つウイルスゲノムが、マウスや培養系で発ガン表現形をだしたので、発がんに寄与する配列を評価するプラットフォームが構築できた。一方、GT-A, B, C型プラスミド間で、遺伝子導入効率の違いや遺伝子発現効率の違いがあることも明らかとなり、GT-Cに特異な好発ガン配列を縛りこむためには、遺伝子型間での遺伝子導入効率の違いを少なくする、あるいは、その違いを補正する方法論を検討する必要性が浮上した。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点での技術上の問題点は、A, B, C型3遺伝子型のプラスミドが、遺伝子導入した時の遺伝子導入効率と遺伝子発現効率に差が多少あり、3遺伝子型の比較をした時に、GT-Cに特異的に起こる差を抽出できているかの検証をどのようにしていくかがある。少なくとも遺伝子導入効率を補正する方法論あるいは遺伝子導入効率の違いを少なくする方法論が必要である。この点は培養細胞系では、N数を増やす、遺伝子導入効率を測定するためのレポーター遺伝子を共導入など、ある程度対策をしていく。マウスの系では、N数を増やすのは容易ではないので、3遺伝子型間の比較以外に同一遺伝子型で特定配列に変異を入れた変異型を作成し、同一遺伝子型内での比較も並走させる。なんとか診断や治療薬開発の基盤情報である発ガンを誘発しやすい原因配列を決めたい。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Structural basis of hepatitis B virus receptor binding2024
Author(s)
Asami Jinta、Park Jae-Hyun、Nomura Yayoi、Kobayashi Chisa、Mifune Junki、Ishimoto Naito、Uemura Tomoko、Liu Kehong、Sato Yumi、Zhang Zhikuan、Muramatsu Masamichi、Wakita Takaji、Drew David、Iwata So、Shimizu Toshiyuki、Watashi Koichi、Park Sam-Yong、Nomura Norimichi、Ohto Umeharu
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Journal Title
Nat Struct Mol Biol.
Volume: 31
Pages: 447~454
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Presentation] B型肝炎ウイルスゲノム挿入の新規検出技術を応用した肝がん再発予測マーカーの開発2023
Author(s)
深野顕人, 若江亨祥, 直亨則, 直亨則, 斎藤益満, 斎藤益満, 豊嶋孝恵, 坪田昭人, 相崎英樹, 松平崇弘, 木村基, 渡士幸一, 渡士幸一, 杉浦亙, 村松正道
Organizer
日本ウイルス学会学術集会
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[Presentation] 胆汁酸トランスポーターNTCPによるB型肝炎ウイルス認識の構造基盤2023
Author(s)
浅見仁太, PARK Jae-Hyun, 野村弥生, 石本直偉士, 小林ちさ, 御舩淳紀, 植村智子, LIU Kehong, 佐藤有美, 村松正道, 脇田隆字, DREW David, 渡士幸一, 渡士幸一, 岩田想, 岩田想, 清水敏之, PARK Sam-Yong, 野村紀通, 大戸梅治
Organizer
日本薬学会年会
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[Presentation] A novel method to profile HBV DNA integration supports the detection of viral-host chimeric sequences in cell-free DNA2023
Author(s)
Fukano K, Wakae K, Nao N, Saito M, Toyoshima T, Tsubota A, Aizaki H, Iijima H, Matsudaira T, Kimura M, Watashi K, Sugiura W, Muramatsu M
Organizer
International HBV Meeting. Kobe.
Int'l Joint Research