2022 Fiscal Year Annual Research Report
糖鎖―レクチン反応と光免疫療法の融合による新規癌治療
Project/Area Number |
22H02911
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
小田 竜也 筑波大学, 医学医療系, 教授 (20282353)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下村 治 筑波大学, 医学医療系, 講師 (60808070)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 膵がん / 光免疫治療 / 糖鎖ーレクチン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、がん細胞表面には標的糖鎖が多量に存在する為にrBC2レクチンをキャリアとすると抗体薬に比べて多量のIR700を送達できるという糖鎖―レクチン反応の利点と、近赤外線が当たらない臓器には副反応障害を起こさずにすむという光免疫反応の利点を融合した新規の抗がん治療法の具現化を目指している。 2022年度は、研究-1 rBC2レクチンとIR700の結合体を安定的に生成する事に成功し、研究-2 rBC2レクチン-IR700 + 近赤外線照射による膵臓がん細胞株のin vitro 殺細胞効果を確認する事が出来た。3時間のインキュベーション後、H型3陽性Capan-1細胞に結合したrBC2-IR700は、フローサイトメトリーおよび蛍光顕微鏡(により確認できた。一方、rBC2-IR700は、Hタイプ-3陰性のSUIT-2細胞への結合を示さなかった。rBC2-IR700を反応させたCapan-1細胞に近赤外線を照射した所、30分以内に細胞膜損傷後、急速に細胞死が起きた。一方、コントロールのSUIT-2細胞では効果が認められなかった。NIR照射は、rBC2-IR700の非存在下で有意な細胞毒性を引き起こさなかったが、近赤外線を照射しないrBC2-IR700単独も細胞毒性を示さなかった。また、rBC2-IR700の細胞内局在を時間経過顕微鏡画像で取得した所、1時間後には主に細胞表面に、3時間および6時間後には細胞内に検出され、rBC2-IR700が徐々に内在化することを確認した。 以上の検討は細胞株を使って行ったが、本研究では、より臨床膵がんの形質を反映しているとされる3Dオルガノイドモデルを樹立して効果を確認する予定である。2022年度は7症例からの樹立に成功し、2023年度以降、このオルガノイドを使って光免疫治療の効果を確認していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究-1 rBC2レクチンとIR700の結合体を安定的に生成する事に成功し、 研究-2 rBC2レクチン-IR700 + 近赤外線照射による膵臓がん細胞株のin vitro 殺細胞効果を確認する事が出来 研究-3 オルガノイドの樹立も順調に進んでいる、 為。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、研究-3 オルガノイドの樹立をさまざまな形態別にさらに進め、 研究-4 In vivoマウス腫瘍モデルにおけるレクチン-IR700結合体の腫瘍集積評価 さらに、近赤外線を照射する事による腫瘍の縮小効果の確認を進める。
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