2022 Fiscal Year Annual Research Report
Cold tumorをhot tumorに変える不安定鉄キレート技術の創出
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22H02916
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
野本 貴大 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 助教 (00734732)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
喜納 宏昭 公益財団法人川崎市産業振興財団(ナノ医療イノベーションセンター), ナノ医療イノベーションセンター, 主幹研究員 (70283067)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 高分子キレート剤 / 鉄イオン / 免疫療法 / 腫瘍関連マクロファージ |
Outline of Annual Research Achievements |
免疫チェックポイント阻害剤(ICI)を用いたがん免疫療法は非炎症性の腫瘍(cold tumor)に対して治療効果を示すことができない。この非炎症性の腫瘍環境は免疫抑制性のM2様腫瘍関連マクロファージによりもたらされることが示唆されている。本研究では、この免疫抑制誘導にM2様TAMから分泌される不安定鉄(labile iron)が関連していることに着目し、この不安定鉄をキレートすることによりM2様腫瘍関連マクロファージを抗腫瘍性M1様腫瘍関連マクロファージに転じさせ、腫瘍環境をICI感受性の高いhot tumorへと変換する技術を創出することを目的とし、主に下記の3つの仮説について検証を進める計画であった。 仮説1.高分子キレート剤は腫瘍内マクロファージの極性を変える。 仮説2.腫瘍内不安定鉄キレートは抗腫瘍性T細胞を活性化する。 仮説3.不安定鉄キレートだけでは免疫チェックポイント阻害剤への治療抵抗性を克服できない場合、超低侵襲的な光線力学療法(PDT)を併用することにより克服できる。 2022年度では仮説1及び仮説2に焦点を当てて研究を進めたところ、まず、高分子キレート剤が投与された腫瘍においては、腫瘍内マクロファージが抗炎症性のM2様から炎症性のM1様に極性を変化させていることを示す結果が得られた。また、高分子キレート剤が投与されることにより、抗腫瘍性T細胞が活性化されたことを示す結果も得られた。興味深いことに、免疫チェックポイント阻害剤を投与すると腫瘍内制御性T細胞が活性化されたが、高分子キレート剤を投与することにより制御性T細胞の活性を抑制できる可能性も示唆された。これらの結果と一致するように、高分子キレート剤と免疫チェックポイント阻害剤の併用により、cold tumorの増殖を顕著に抑制することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りに仮説を実証するデータが得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では主に下記の3つの仮説について検証を進める計画であった。 仮説1.高分子キレート剤は腫瘍内マクロファージの極性を変える。 仮説2.腫瘍内不安定鉄キレートは抗腫瘍性T細胞を活性化する。 仮説3.不安定鉄キレートだけではICIへの治療抵抗性を克服できない場合、超低侵襲的な光線力学療法(PDT)を併用することにより克服できる。 2022年度では仮説1及び仮説2に焦点を当てて研究を進めたところ、これらの仮説の妥当性を示す結果が得られた。そこで2023年度ではそれらの結果をサポートする知見を得るために、別側面からのアプローチを試みる。また、不安定鉄キレートだけでもICIの治療効果を顕著に向上できることが示されているが、PDTとの併用効果を検討することにより腫瘍内免疫環境に関する情報を獲得できるものと考えられたため、仮説3についても検証を進める計画である。
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Research Products
(11 results)