2023 Fiscal Year Annual Research Report
Landscape of humoral immune system in patients with mature T-cell neoplasms, and its clinical application
Project/Area Number |
22H02918
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
石田 高司 名古屋大学, 医学系研究科, 特任教授 (80405183)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平松 寛明 名古屋大学, 医学系研究科, 研究員 (70827253)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | ATL / 免疫グロブリン / 体細胞超変異 / クラススイッチ |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに、主に、多施設共同前向き臨床試験、『成人T細胞白血病リンパ腫に対するモガムリズマブ治療中の免疫モニタリング (MIMOGA study)』 (UMIN000008696) に登録された患者試料での解析で i)末梢血IgG B細胞可変領域の多様性の程度; 多様性が豊富なほどモガムリズマブ治療後の生命予後が良好である。 ii)末梢血IgG B細胞定常領域のクラススイッチ(CSR)の程度;クラススイッチが高頻度なほどモガムリズマブ治療後の生命予後が良好である。 ことを明らかにしてきた。本年度はIgG B細胞可変領域多様性を司る、体細胞超変異 (Somatic Hyper Mutation;SHM)と、定常領域CSR相互の、動的な機構の解明を試みた。しかしながら、塩基配列からのSHM評価にあたり、アミノ酸同義置換と非同義置換の判別に欠陥を認め、SHMの評価が困難なケースを複数例に認めた。故に、当初の目的は達成できなかった。並行して実施した腫瘍細胞の解析で、TP73遺伝子の構造異常 (exon 2 または exon 2-3 の欠失)を有するケースでは、患者の液性免疫の量及び、質が保たれていても、モガムリズマブ治療後の生命予後が不良であることが明らかとなった。TP73遺伝子の構造異常を有するATL患者に対しては、新たな治療strategy の開発が急務である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
B細胞受容体可変領域 somatic hyper mutation (SHM)の定量的評価方法の、技術的な問題点が解決されていない。すなわち、同じ一塩基置換であっても、アミノ酸同義置換と非同義置換との間には本質的な生物学的相違が存在する。現時点では、この両者の判別方法が不完全であり、解析手法の改善、再構築に取り組んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
前術の、B細胞受容体可変領域 somatic hyper mutation (SHM)定量的評価方法の、技術的な問題点を解決し、"可変領域SHMと、定常領域 Class Switch Recombination (CSR)相互の動的な機構”を解明する。そして、臨床情報と統合解析することにより、当初の目的である、成熟T細胞腫瘍でのB細胞免疫応答機構の全体像の解明、及びB細胞免疫応答状態を反映するバイオマーカーの確立による、患者層別化及び最適な治療確立のための基盤データを取得する。
|
Research Products
(3 results)