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2022 Fiscal Year Annual Research Report

マイクロバイオームと腫瘍関連好中球から見た膵がんミニエコシステム

Research Project

Project/Area Number 22H02922
Allocation TypeSingle-year Grants
Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

池永 直樹  九州大学, 大学病院, 助教 (90759755)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 佐田 政史  九州大学, 大学病院, 助教 (10783508)
水内 祐介  九州大学, 大学病院, 助教 (20849088)
永吉 絹子  九州大学, 大学病院, 助教 (90761015)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywords膵癌 / マイクロバイオーム / 腫瘍関連好中球 / 微小環境 / 腫瘍免疫
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、マイクロバイオームと好中球が構築する免疫抑制性微小環境のメカニズムを明らかにし、抗腫瘍環境へと誘導する新たな治療標的を見つけることである。この目的のため、初年度として以下の実験系を確立した。
1.In vitroで腫瘍関連好中球とマイクロバイオームを解析するための分化・培養法
2.マウス膵癌モデルにおける皮下腫瘍内好中球とマイクロバイオーム解析法
3.ヒト膵癌組織における腫瘍関連好中球とマイクロバイオームに由来する分子の免疫染色解析法
これにより、膵癌腫瘍内で免疫抑制性微小環境を誘導する特異的マイクロバイオームXXを同定し、そのマイクロバイオームXXが膵癌の進展を促進するメカニズムを同定した。マイクロバイオームXXは膵癌細胞からの免疫抑制性細胞を誘導するサイトカイン分泌を促しており、これにより腫瘍内のT細胞浸潤も低下していることが明らかとなった(論文投稿中)。また、膵癌内の腫瘍関連好中球がT細胞の活動を抑制する特異的分子(免疫チェックポイント分子YY)も同定し、好中球表面の分子YYが膵癌の進展に与える影響を解析している(論文準備中)。さらに、好中球が腫瘍内で免疫抑制性免疫細胞にphenotypeを変化させるメカニズムの一つとしてオートファジーに注目し、好中球内のオートファジーが腫瘍関連好中球と膵癌細胞との相互作用においてどのような影響を与えるかについても解析を進めている。これらの研究成果は、腫瘍内マイクロバイオームが免疫抑制性微小環境を構築するメカニズムの一端を示すもので、新たな治療標的の発見につながる大きな成果である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

腫瘍内のマイクロバイオームと腫瘍関連好中球が腫瘍の進展に与える影響を、in vitro、in vivoで実験し、そのメカニズムの一端を明らかにできたためおおむね順調に進展していると判断する。以下、これまでの成果を列記する。1.ヒト骨髄系幹細胞株であるHL-60細胞にサイトカインとDMSOを添加し、好中球への分化に成功した。2.培養好中球に膵癌細胞株の上清を添加し、腫瘍関連好中球を作成した。3.腫瘍関連好中球の上精を採取し、膵癌細胞株に添加し膵癌細胞株の増殖・浸潤・遊走能を評価した。4.腫瘍関連好中球が分泌するケミカルメディエーターをマイクロアレイとサイトカインアレイより同定した。5.腫瘍内に存在するマイクロバイオームXXと癌細胞の共培養実験により、マイクロバイオーム共存癌細胞が特異的に分泌するサイトカインを同定した。6.同定したサイトカインが膵癌の進展に重要であることをin vitro, in vivo実験で明らかにした。

Strategy for Future Research Activity

マイクロバイオームXXと腫瘍関連好中球の相互作用を明らかにするため、マイクロバイオームやその分子のdeletion実験を行う。マイクロアレイで同定した腫瘍関連好中球に発現する免疫チェックポイントYYは、腫瘍進展に影響する有力候補分子であり、この分子の阻害実験を行い、腫瘍関連好中球が腫瘍浸潤T細胞の活動性に与える影響や腫瘍の進展度を評価する。そのほかの候補分子についてもin vitro抑制実験を行い、腫瘍の増殖・浸潤に重要な働きを持つ腫瘍関連好中球関連分子を同定する。また腫瘍内マイクロバイオームを改変する目的で抗生剤投与や腸管粘膜透過性に関わる分子の抑制をおこない、腫瘍内マイクロバイオームの変化ならびに腫瘍動態の変化を評価する。好中球のphenotype変化のメカニズムを明らかにするためオートファジ―に着目し、オートファジー阻害により腫瘍関連好中球へのphenotype switchの抑制を試みる。

  • Research Products

    (1 results)

All 2023

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] 膵癌が主導する腸内細菌叢の改変2023

    • Author(s)
      池永直樹
    • Journal Title

      胆と膵

      Volume: 44 Pages: 285-290

URL: 

Published: 2023-12-25  

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