2022 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of novel NK cell activation and induction mechanisms by RNA velocity analysis
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22H02923
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
原田 結 九州大学, 薬学研究院, 准教授 (00608507)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | NK細胞 / scRNA-seq / Trajectory assay |
Outline of Annual Research Achievements |
1980年代より米国NIHを中心としてがん治療への応用が試みられてきたものの、明確な有効性を示せないでいたNK細胞であるが、近年その原因が、適切なphenotypeを作出することが出来ていなかったことに起因していることが明らかとなり、世界中で精力的に実用化開発が推進されている。 これに先行して申請者らは2010年より、悪性腫瘍に対する治療技術として獲得免疫機構を補完するべくNK細胞に着目し、研究開発を進めてきていた。特に固形腫瘍に有効性を示せるPhenotypeの作出を目指し、その手法を見出した(Saito S, Harada Y, et al, Hum Gene Ther Methods, 2013ほか特許4件、3つの固形腫瘍に対して治験実施中)。この細胞を申請者らは開発コードGAIA-102の名前で呼んでいる。 本研究により、網羅的な遺伝子発現解析およびメチレーション解析では、GAIA-102は末梢血中NKとMemory-like NKとを結んだ延長上に位置し、複数のsubtypeに分かれていることが判明した。また集団として再現性の高い状態変化を来たす培養系であり、リード数を抑えた予備実験においても明確にsubtypeを検出可能であることが確認された。 そこで培養開始時点から終了時点までの様々な段階でサンプリングを行い、scRNA-seq解析を実施した。これは、ある細胞集団が分化/状態変化していく様子を継時的に読み解くRNA velocity解析/Trajectory assayを行う意図であり、2018年に神経系および血球系の分化工程を系統的・視覚的に明らかにする手法として報告されて以来(Manno GL, et al. Nature 2018. 図2)、汎用が試みられている手法の応用である。その解析結果から徐々にGAIA-102の正体が明らかになってきた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
GAIA-102の培養の各段階においてscRNA-seqを実施するために、細胞がまだ増殖を開始していない序盤の細胞数を確保することに苦慮したものの、効率的な細胞回収法を適用することでその問題をクリアし、分化活性化を十分に把握出来るだけの基礎データを取得することに成功した。 またそのデータを元にTrajectory assayを開始し、予想以上にGAIA-102が特異な存在であることが判明しつつある。特徴的な遺伝子発現を示すことはこれまでにも予想されていたが、実際にデータを見て驚いたのはその活性化経路の特殊性であった。初年度に予定していたsubtypeの分類分けについてもscRNA-seqのデータはアレイと異なり1細胞毎にデータが取得出来ることから、FACS等の手法で確認するよりも精度良く把握することが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
scRNA-seqで得られた膨大なデータを元に、その全行程および分化活性化段階毎にTrajectory assayを行い、活性化経路の特定精度の向上を図る。60次元程度まで次元削減を行っているが、次年度以降はまた異なる統計学的手法を織り交ぜ、現段階までに明らかになっている分化活性化経路との比較を進めながら経路推定を進める。
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