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2023 Fiscal Year Annual Research Report

合成致死性を司る代謝リプログラミング機構の解明と治療への応用

Research Project

Project/Area Number 22H02932
Allocation TypeSingle-year Grants
Research InstitutionJapanese Foundation for Cancer Research

Principal Investigator

冨田 章弘  公益財団法人がん研究会, がん化学療法センター ゲノム研究部, 部長 (40251483)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywordsがん細胞 / 代謝 / 合成致死 / 分子標的治療
Outline of Annual Research Achievements

がん細胞の代謝特性には多様性や可塑性がみられ、代謝を制御し合成致死性をもたらす治療法の開発には、合成致死性の誘導と回避を制御する代謝リプログラミング機構の理解が重要である。本研究では、がん代謝に注目した合成致死性の制御原理について探究するとともに、代謝を制御し合成致死性をもたらす新たな治療法の考案を目指す。そのため、大きく3つの研究項目に分け推進している。今年度は、2022年度の成果に基づき、引き続き、項目1)「合成致死誘導に基づく代謝特性の類型化」ならびに項目2)「合成致死誘導への抵抗性獲得とその解除法」を中心に行った。項目1)では、ヒトがん細胞パネルを用い、アスパラギン枯渇下でストレス応答経路を阻害した際に起こる合成致死について、合成致死に対して感受性の細胞株と抵抗性の細胞株に分類した情報に基づき、アスパラギン供給経路に注目して抵抗性機序の類型化の検討を行った。また、代謝阻害による相同組換え修復不全の誘導を介した合成致死性について、同様に細胞株の類型化に向けての解析を継続して行った。項目2)では、アスパラギン枯渇下でストレス応答経路を阻害した際に起こる合成致死に対する抵抗性ついて、合成致死誘導条件下での長期間暴露により抵抗性を獲得した細胞を用い、マルチオミクス解析や生化学的な解析等により抵抗性機序の解析を進めた。また、代謝制御に重要な役割を果たすミトコンドリアに注目し、引き続き、ミトコンドリア機能不全への腫瘍組織レベルでの抵抗性獲得機序の解明に向けて解析を進めた。これらの研究に加え、項目3)「代謝リプログラミングを制御する治療戦略の有用性評価」では、引き続き、各種データベースや情報解析技術を駆使した解析に向けた検索基盤の整備を進めた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究では、合成致死性の誘導と回避を制御する代謝リプログラミング機構の理解に基づき、分子標的やバイオマーカーを探索同定することを通じて、代謝を制御する新たな治療法の開発への展開を目指している。当該年度までに、項目1)では、アスパラギン枯渇下でストレス応答経路を阻害した際に起こる合成致死や代謝阻害による相同組換え修復不全の誘導を介した合成致死性についての細胞株の分類がほぼ完了した。また項目2)では、合成致死誘導条件下での長期間暴露による抵抗性細胞の樹立に成功し、アスパラギン供給経路に注目した抵抗性機序の解析など、項目1)と連携した形で研究が進んでいる。加えて、項目3)の生物情報解析を基軸とした解析についても、インハウスデータと活用すべき外部データ等の情報整備が進み、上記の項目1)2)の類型化情報などに基づいた探索的解析への活用に向けて期待できる状況になってきている。以上のように、概ね計画通りに展開でき、順調に研究が進展しているものと考えている。

Strategy for Future Research Activity

本研究は3年間の計画で第2年次終了時点であり、研究はおおむね順調に進み、研究計画の変更あるいは研究を遂行する上での問題はないものと考えている。第3年次においては、当初の予定通り、2022年ならびに2023年度の成果に基づき、研究を継続する。具体的には、項目1)では、合成致死誘導に基づく代謝特性の類型化の研究を継続し発展させる。項目2)では、合成致死誘導への抵抗性獲得とその解除法についての研究を継続し発展させる。特にこれら項目1)ならび2)については、基盤データの取得の継続にとどまらず、バイオマーカーや新規標的分子の同定に向けた展開を図る点に留意しながら進める。また、項目3)では、これまでに整備してきた、既存データセットと外部データを連結解析する検索基盤を活用し、上記の項目1)2)の類型化情報などに基づいて、合成致死の誘導と回避に関与する分子の探索的解析への展開を図る。

  • Research Products

    (4 results)

All 2023 Other

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (2 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] Activating mutations in EGFR and PI3K promote ATF4 induction for NSCLC cell survival during amino acid deprivation.2023

    • Author(s)
      Takahashi M, Okamoto Y, Kato Y, Shirahama H, Tsukahara S, Sugimoto Y, Tomida A.
    • Journal Title

      Heliyon

      Volume: 9 Pages: e14799

    • DOI

      10.1016/j.heliyon.2023.e14799.

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] BRAF V600E変異型メラノーマ細胞におけるシスチン代謝変化とフェロトーシス抵抗性の解析2023

    • Author(s)
      野田智幹,白濱仁深,冨田章弘.
    • Organizer
      第27回日本がん分子標的治療学会学術集会
  • [Presentation] Involvement of alpha-ketoglutarate depletion in cisplatin sensitization induced by glutaminolysis inhibition.2023

    • Author(s)
      岡本有加,冨田章弘.
    • Organizer
      第82回日本癌学会学術総会
  • [Remarks] 公益財団法人がん研究会がん化学療法センターゲノム研究部

    • URL

      https://www.jfcr.or.jp/chemotherapy/department/genome/index.html

URL: 

Published: 2024-12-25  

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