2023 Fiscal Year Annual Research Report
神経回路創出により解明する高度な運動学習の神経基盤
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22H02940
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
正水 芳人 同志社大学, 脳科学研究科, 教授 (90608530)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾崎 弘展 同志社大学, 脳科学研究科, 准教授 (30747697)
西村 周泰 同志社大学, 脳科学研究科, 准教授 (90527889)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ドーパミン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ドーパミンによる可塑性誘導機構を利用することによって運動学習を促進することができるかどうかを明らかにすることである。この研究目的を達成するために本年度は、チャネルロドプシンを遺伝子導入したドーパミン作動性神経細胞塊を大脳皮質へ移植し光刺激を行うことによって、ドーパミン作動性神経細胞塊からドーパミンが放出されるかどうかを確認した。具体的には、大脳皮質に蛍光ドーパミンセンサー(ドーパミンが結合すると立体構造が変化し励起光によって緑色の蛍光を発するようになる)を発現させ、チャネルロドプシンを遺伝子導入したドーパミン作動性神経細胞塊を光刺激すると、蛍光ドーパミンセンサーの蛍光輝度が上昇することをマクロズーム・多点走査型共焦点顕微鏡下で観察した。多点走査型共焦点スキャンユニットは、広げたレーザー光を多数のピンホールを持つ高速回転する円盤に照射し、1000本のレーザー光線に分割することで、観察視野を1000点同時に走査するため、一点走査型よりも高速に広視野でのイメージングが可能である。ただし、レーザーは1光子であるため、大脳皮質の浅い層しか観察ができない。6層構造からなる大脳新皮質は、各層の神経細胞が異なる入出力を持ち、運動課題をおこなう際には、様々な領域とネットワークを形成し、情報処理をおこなっている。今後、脳深部のイメージングも可能な2光子顕微鏡を用いることによって、どのような移植方法だとより移植したドーパミン作動性神経細胞塊から脳への軸索伸長があるかを検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
脳に移植したドーパミン作動性神経細胞塊からドーパミンが放出されることを確認できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
どのような移植方法だとより移植したドーパミン作動性神経細胞塊から脳への軸索伸長があるかを検討する。
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