2022 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of novel pathomechanism of Parkinson's disease through impaired lysosomal quality control
Project/Area Number |
22H02949
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
桑原 知樹 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 講師 (10533903)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | パーキンソン病 / リソソーム / LRRK2 / αシヌクレイン |
Outline of Annual Research Achievements |
顕性遺伝性パーキンソン病(PD)の病因キナーゼであるLRRK2はストレスを受けたリソソームの品質管理に重要な役割を果たし、過積載となったリソソーム内容物の細胞外分泌をもたらすとともに、PD脳内において蓄積するαシヌクレインの分泌を誘発する。本年度はまず、マウス各種初代培養細胞を用いた解析から、LRRK2とその基質Rabを介したリソソームおよびαシヌクレインの細胞外分泌がミクログリアにおいて顕著に認められること、一方でニューロンや線維芽細胞など他の細胞種ではほぼ生じないことを明らかにした。また、αシヌクレイン凝集体の細胞内在化とリソソームへの移行に伴ってLRRK2が活性化し、LRRK2とその基質Rabがリソソーム膜上に局在化することを見出した。以上の結果はこれまでの培養細胞株を用いた解析と合わせ、論文として投稿した。 また、リソソームストレス下でLRRK2とRab29が協働してストレスに対処するメカニズムを明らかにし、論文として投稿した。リソソームやαシヌクレインの分泌機構については、分泌を調節する遺伝子および薬剤の探索を進め、候補の絞り込みを行った。 また、生体マウス脳において不溶性αシヌクレインの初期伝播やミクログリアの役割を検討する系の確立を試みた。蛍光標識したαシヌクレインシードの線条体への注入により、黒質を含めた脳内各所への伝播が24時間以内に速やかに生じることや、その過程でミクログリアが関与することなどを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
LRRK2が関わるリソソーム品質管理機構の一端と、その機構がαシヌクレインの細胞外分泌に果たす役割を明らかにし、論文投稿に至った。分泌機構の解析や、マウスを用いた評価系の立ち上げも一定程度進捗した。
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Strategy for Future Research Activity |
LRRK2が関わるリソソームやαシヌクレインの細胞外分泌機構について、候補として絞り込んだ遺伝子・薬剤の効果の解析を通してさらに詰める。リソソーム品質管理機構の詳細やその細胞老化との関連についてさらに検討する。マウス脳におけるαシヌクレインシードの初期伝播の系において、LRRK2やリソソームストレスが関わる可能性を明らかにする。
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