2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22H02961
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
玉田 篤史 関西医科大学, 医学部, 准教授 (60270576)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
六車 恵子 関西医科大学, 医学部, 教授 (30209978)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 大脳皮質基底核変性症 / iPS細胞 / 大脳オルガノイド / 基底核オルガノイド / 疾患モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
大脳皮質基底核変性症(Corticobasal Degeneration; CBD)は、大脳皮質および大脳基底核の神経細胞が選択的に障害される神経変性疾患であり、根治はもとより進行を止める治療法も存在しない。リン酸化タウが異常蓄積するタウオパチーであることは既知であるが、原因遺伝子は不明で、疾患モデルも存在せず、病態解明も進んでいない。本研究では、疾患由来iPS細胞を活用することで、CBDの疾患モデルを構築し、病態の解明を進めることを目的とする。症例由来のiPS細胞から現有のオルガノイド作製技術の改良により、大脳皮質および基底核の組織を分化誘導する。この系において、タウ封入体形成、細胞変性などの表現型解析を行い、病態を再現する疾患モデルを構築し、さらに、病態の発現機構の解析を進める。これにより、CBDの病態解明、治療法開発に寄与するとともに、他のタウオパチーの理解にも貢献することを目指す。2024年度までに、症例由来のiPS細胞から、現有のオルガノイド作製技術の改良により、大脳皮質および基底核の組織を高効率に分化誘導する方法を確立した。一方、健常株、疾患株ともに大脳へ分化する能力を有することはわかったが両者の表現型の違いを検出するには至っていない。今後、解析技術を改良して、病態特有の表現型を明らかにしていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現有のオルガノイド分化誘導法を改良することで、症例由来のiPS細胞から高品質な大脳オルガノイドおよび基底核オルガノイドを作成することに成功した。また大脳皮質基底核変性症で病変が生じるアストロサイトについてもpiggybacトランスポゾンによる転写因子導入法を用いて短期間で効率よく分化誘導することができており、オルガノイドとのアセンブルを実施できている。細胞特異的に蛍光レポーターをノックインした細胞株を作成し、共焦点顕微鏡における3Dライブイメージングの手法を確立した。定量解析により疾患特有の表現型解析を行うことが出来つつある。
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Strategy for Future Research Activity |
オルガノイドの解析方法にさらなる改良を加えながら、病態特有の表現型を見出し、発症機序の解明につなげる。
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