2022 Fiscal Year Annual Research Report
Screaning of the key molecules that inhibit central nervous system regeneration
Project/Area Number |
22H02962
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
村松 里衣子 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所, 部長 (90536880)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 脊髄損傷 / 神経回路再生 / 瘢痕 |
Outline of Annual Research Achievements |
炎症や外傷などにより中枢神経系が傷害されると、傷ついた部位に応じて様々な機能障害があらわれる。症状の回復は困難で、その原因の一つは傷ついた部位に「瘢痕」と呼ばれるかさぶたのような構造物ができるためで、それが神経の機能を担うネットワーク(神経回路)の再生を阻むためと考えられている。本研究では神経回路の再生を阻む瘢痕の形成のメカニズムを探索している。 中枢神経系の神経回路再生研究は、脳や脊髄に備わる細胞や分子の働きを解明するものがほとんどだが、我々はこれまでに、中枢神経傷害後に血管網が破綻する点に着目し、血液から漏れ出る物質が脳内の細胞に作用し、神経機能を変化させることを見出してきた。本研究でも、血液に含まれる物質に着目し、血中分子による瘢痕形成機構について検討を行った。 その結果、血液を暴露すると、瘢痕形成細胞は増殖を促進させることを見出してきた。そこで、血液の中に含まれ、瘢痕形成細胞の増殖を促進させる分子を探索した。これまでに血液に含まれるあるタンパク質が、瘢痕形成細胞の増殖を促すことを見出していたため、そのタンパク質の同定を試みるとともに、同タンパク質が細胞内のいかなる機序を介して増殖を促進させるか、網羅的な遺伝子発現解析などから検討した。また、同タンパク質の受容体の発現を瘢痕形成細胞で確認し、その効果を脊髄損傷モデルマウスで検討した。見出したタンパク質の働きを欠失させたマウスに対して脊髄損傷を施し、組織・行動解析を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた計画が順調に進み、一部計画以上の検討が遂行できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
着手した検討について、結果の解析を行う。同定した分子に対する受容体の発現を抑制させたマウスに脊髄損傷を施し、組織・行動解析を行う。見出した機序がヒトにも保存されるものか検討するため、ヒト培養細胞に対して同定した分子を暴露し、細胞の応答を評価する。
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