2022 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of pathophysiological roles of capillary endothelial cell-anchored protein, GPIHBP1, in dyslipidemia
Project/Area Number |
22H02965
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
村上 正巳 群馬大学, 大学院医学系研究科, 客員教授 (30241871)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 孝穂 群馬大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (90396656)
常川 勝彦 群馬大学, 医学部附属病院, 講師 (30436307)
葭田 明弘 群馬大学, 大学院医学系研究科, 助教 (40794194)
中嶋 克行 高崎健康福祉大学, 健康福祉学部, 客員教授 (10444051)
大日方 英 群馬大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (50332557)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 脂質異常症 / 毛細血管内皮細胞 / GPIHBP1 / リポ蛋白リパーゼ / トリグリセライド |
Outline of Annual Research Achievements |
TG-richリポ蛋白を代謝するLPLは脂肪細胞や筋細胞などで産生され、毛細血管内皮細胞膜上に存在するアンカー蛋白GPIHBP1によって毛細血管内腔に輸送される。 我々は、GPIHBP1に対する自己抗体によって高TG血症をきたす新たな自己免疫性脂質異常症の症例を発見し、血中GPIHBP1濃度、血中GPIHBP1自己抗体、リポ蛋白リパーゼ(LPL)濃度の解析を行い、本研究において新たなGPIHBP1自己抗体症候群の症例を発見した。 基礎的な検討においては、GPIHBP1のLPL結合部位として重要なLU domainでなくacidic domainを欠損したマウスを作製したところ、LPLのヘパラン硫酸プロテオグリカン(HSPGs)からの解離が障害され、高TG血症となることが明らかとなった。さらに、GPIHBP1により毛細血管内に輸送されたLPLはglycocalyxに捕捉されてTG-richリポ蛋白を代謝することが明らかとなった。 これまでマウスLPLならびにGPIHBP1濃度の測定法が存在しなかったためにマウスにおけるGPIHBP1およびLPLによるTG代謝の研究に進展がみられなかったが、我々はモノクローナル抗体を用いたマウスLPLならびにGPIHBP1濃度の免疫測定法を確立することに成功した。野生型マウスとGPIHBP1欠損マウスにおけるLPLならびにGPIHBP1濃度をヘパリン投与前と投与後で予備的な検討を行ったところ、GPIHBP1欠損マウスにおいて野生型マウスに比較してヘパリン投与前と投与後においてLPLおよびGPIHBP1濃度の有意な低下を認めた。今後、我々が確立したマウスLPLならびにGPIHBP1濃度の免疫測定法を用いてGPIHBP1によるLPLの輸送ならびにLPLによるTG代謝の詳細なメカニズムを培養細胞ならびに動物モデルを用いて解明する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今回、GPIHBP1に対するモノクローナル抗体を用いた解析により、GPIHBP1によって毛細血管内に輸送されたLPLはglycocalyxに捕捉されてTG-richリポ蛋白を代謝することが明らかとなった。 また、モノクローナル抗体を用いたマウスLPLならびにGPIHBP1濃度の免疫測定法を確立することに成功し、野生型マウスとGPIHBP1欠損マウスにおけるLPLならびにGPIHBP1濃度をヘパリン投与前と投与後で予備的な検討を行ったところ、GPIHBP1欠損マウスにおいて野生型マウスに比較してヘパリン投与前と投与後においてLPLおよびGPIHBP1濃度の有意な低下を認めた。今後、我々が確立したマウスLPLならびにGPIHBP1濃度の免疫測定法を用いてGPIHBP1によるLPLの輸送ならびにLPLによるTG代謝の詳細なメカニズムを培養細胞ならびに動物モデルを用いて解析することが可能となった。
|
Strategy for Future Research Activity |
TG-richリポ蛋白を代謝するLPLは脂肪細胞や筋細胞などで産生され、毛細血管内皮細胞膜上に存在するアンカー蛋白GPIHBP1によって毛細血管内腔に輸送される。 我々は、GPIHBP1に対する自己抗体によって高トリグリセライド血症をきたす新たな自己免疫性脂質異常症の症例を発見し、血中GPIHBP1濃度、血中GPIHBP1自己抗体、リポ蛋白リパーゼ(LPL)濃度の解析を行っている。本研究において新たなGPIHBP1自己抗体症候群の症例を発見しており、今後も症例の集積を行ってその病態を明らかにし、診断方法を確立し、治療戦略を創出する。 また、基礎的な検討では、我々が確立したマウスLPLならびにGPIHBP1濃度の免疫測定法を用いてGPIHBP1によるLPLの輸送ならびにLPLによるTG代謝の詳細なメカニズムを培養細胞ならびに動物モデルを用いて解析する予定である。
|