2023 Fiscal Year Annual Research Report
逆境的小児期体験と関連する情緒と行動の問題の認知行動療法と脳MRIによる病態解明
Project/Area Number |
22H02994
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
清水 栄司 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (00292699)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 好幸 千葉大学, 子どものこころの発達教育研究センター, 教授 (50386843)
大島 郁葉 千葉大学, 子どものこころの発達教育研究センター, 教授 (40625472)
田村 真樹 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任研究員 (30915450)
吉田 斎子 千葉大学, 医学部附属病院, 特任助教 (00789745)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | トラウマ / ストレス / 認知行動療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、うつ病、気分変調症、適応障害で通院中である成人300人、過去に、うつ病、気分変調症、適応障害などの精神疾患にかかった成人300人、現在、健康で過去に精神疾患にかかったことがない成人300人に、それぞれ18歳までの逆境的小児期体験(ACE)の10項目(1,身体的ネグレクト(育児放棄)、2、親の離婚・死別、3,親の精神疾患、4,親の依存症、5,親の家庭内暴力、6,親の犯罪歴、7,精神的虐待、8,身体的虐待、9,情緒的ネグレクト、10、性的虐待)がない人100人、性的虐待以外の1つ以上を経緯した人100人、性的虐待を経験した人100人の調査回答データを収集したところ、各群内で、性的虐待を経験した人が最もPHQ-9によるうつ症状、改訂出来事インパクト尺度(IES-R)による広義のトラウマ的なストレス症状がともに重度で、それ以外のACEを経験した人が次いで重い中程度で、ACEがない人が最も軽度であることがわかった。 千葉大学医学部附属病院倫理審査委員会で承認を得た「ストレス因関連障害、ストレス因関連うつ病へのオンライン認知行動療法の待機リスト群を対照としたランダム化比較試験」について、1)過去にはっきりと確認できるストレス因に反応して、3か月以内に情動面または行動面の症状が出現して、苦痛あるいは障害のエピソードがあり、現在、ストレス因関連障害群(適応障害、類適応障害、特定不能のストレス因関連障害)あるいは抑うつ障害群(うつ病、気分変調症)の診断を持つ者、2)現在も、過去のストレスフルな出来事のつらさ(改訂出来事インパクト尺度(IES-R)の合計25点以上)を有し、オンラインでの認知行動療法による軽減を希望する者30人への介入が終わり、今後、データ解析を進める予定である。同時に、頭部MRI検査の解析も進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
うつ病、気分変調症、適応障害の患者は、逆境的小児期体験と関連する情緒と行動の問題を抱えている場合、重症化していることをWEB質問調査から、明らかにすることができ、その問題解決のために、オンラインで、イメージの書き直しの認知行動療法を提供することの有効性をランダム化比較試験のデータから、明らかにするためのデータを収集し終え、また、頭部MRIデータの解析も可能となっているので、「おおむね順調に進展している」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
固定した臨床データとMRIデータの解析を進め、研究成果を国内外に発表する。また、関連したイメージの書き直しの認知行動療法に関する研究の展開を検討する。
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Research Products
(1 results)